第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-172-A] 健康ポイント事業からわかる健康に対する意識調査

立石 俊恵, 中山 裕子, 都竹 宏子, 畑 径子, 則武 友香, 増田 千穂 (たんぽぽ薬局 (株))

【目的】
住民の健康づくりに関する取り組みに対しポイントを付与し、そのポイントに応じて様々なサービスを提供する「健康ポイント事業」(以下、事業)が全国的に行われている。今回、当薬局が所在するT市の事業を活用し健康に対する意識調査を行うことで患者の健康に対する意識向上に向けて健康予防管理専門士が取り組むべき課題を明らかにすることを目的とする。
【方法】
2022年9月~2023年3月の期間、当薬局に来局した20代~80代のT市在住の患者を対象にT市の事業について説明し、ポイント付与の対象である健康診断(以下、健診)とがん検診の受診状況、健康に関する自主的な取り組み状況について聞き取り、調査した。
【結果】
89名から回答を得た。健診を受診している方は60名(67.4%)、がん検診を一つでも受診している方は、がん検診が推奨されている年齢の方55名のうち、37名(67.3%)であった。健康に関する自主的な取り組みは89名(100%)が実施していた。項目別にみると、「節酒」が85名(95.5%)と最も多く、次いで「朝食を毎日食べる」が83名(93.3%)、「毎食野菜を食べる」が81名(91.0%)であった。一方「健診結果説明会、教室に参加し自分に合った取組みを進める」は0名(0%)であった。
【考察】
定期通院する患者の中にはそれを理由に、健診やがん検診を受けない方も見受けられ、健診への正しい理解を促す必要がある。健診結果説明会等に参加している方はいなかったことより、多くの方が健康を意識し行動に移せているものの自身の健康状態に合った取り組みの実施には至っていない可能性がある。今回、市の事業を説明したことで新たに事業に参加された方もみえた。現在、当店では減塩食品等の販売や糖化度測定イベント等を行っているが、今後は市の事業も活用し、健診の受診勧奨や薬剤師・管理栄養士と連携した個々の患者に合わせた健康指導を行うことで患者の健康維持・増進に寄与していきたい。