第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Mon. Oct 9, 2023 1:10 PM - 1:50 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-178-A] 保険薬局における薬剤師との連携経験が医療事務を兼任している管理栄養士のやりがいへ与える影響の一考察

森 智史1, 小山 裕之2 (1.(株)ココカラファインヘルスケア 調剤事業部 調剤西日本第1課, 2.(株)MCCマネジメント ウエルネス事業推進本部 調剤事業部 調剤管理課)

【目的】
近年、地域住民に最も近い存在の医療提供施設である保険薬局に管理栄養士の配置が進んできた。これは、薬局が医師、看護師、管理栄養士など他職種と連携して、適切な役割を果たすことが求められているといった、わが国の種々の健康施策が背景にある。今回、店舗に配属されている管理栄養士を対象に、薬剤師との連携による栄養指導を行うことによって、そのやりがいにどのような変化が生じるかを調査した。
【方法】
2022年9月~2023年3月の期間、医療事務を兼任している16名の管理栄養士を対象に、薬剤師との連携による栄養指導を行うためのプログラムを企画した。プログラムの内容は、薬剤師を交えた症例検討会、栄養指導および服薬情報提供書の動画視聴、実際の栄養指導とした。プログラムの前後に、5段階の順序尺度および自由記述でアンケートを実施した。やりがいについては、管理栄養士、医療事務それぞれの業務について質問した。有意確率はpaired t-testで検定し、有意水準が0.05未満で有意差ありと判断した。
【結果】
アンケートの有効回答率は100%であった。やりがいについて、管理栄養士としては、プログラム後 (M = 3.6, SD = 0.8) の方が、前 (M = 2.4, SD = 1.1) よりも有意に高いことが示された (t (15) = 3.33, p = .005) 。一方、医療事務としては、プログラム後 (M = 3.8, SD = 0.8) と前 (M = 3.9, SD = 0.9) で有意な差が認められなかった (t (15) = 0.56, p = .580) 。
【考察】
薬剤師との連携による栄養指導を行うことによって、管理栄養士としてのやりがいを向上することができたと考える。堀ら(2021)は、管理栄養士・栄養士を対象としたアンケートで、「薬剤師・スタッフ等の理解や連携」の不足を報告している。今回のように、薬剤師との連携をきっかけとする栄養指導を実施することで、管理栄養士、薬剤師双方の理解や連携が進み、管理栄養士としての職能が発揮される可能性が示唆された。