一般演題（ポスター）Aグループ

[P-196-A] 医療事務の薬剤師が行っていた業務への介入（先々を見据えた医療事務業務の見直し）

^○宇野 真太朗¹, 中澤 祐里², 牧瀬 美幸³ (1.（株）アイセイ薬局 東海第2支店, 2.アイセイ薬局つつじが丘店, 3.豊橋大山店)

【目的】
予防医療や在宅医療など薬剤師に求められる業務の拡大により、薬局内での薬剤師の対人業務に充てる時間の確保が難しくなってきた。今まで薬剤師が行っていた業務を整理し、医療事務が一部業務を担うことで、薬剤師の対人業務の充実と時間の確保を目指す。
【方法】
2022年9月～2023年2月までの5カ月間を検証期間として、調剤薬局の業務を整理し新たに医療事務が行える業務を見直し、以下の業務において、薬剤師の管理のもと愛知県豊橋市の4店舗にて、以下の4つの業務を実施した。
ケアマネジャーへの定期訪問と連携（在宅患者様の情報交換、居宅療養管理指導の啓発）、地域包括支援センターへの定期訪問（地域ケア会議の依頼応需、高齢者サロン情報交換）、在宅患者様への対応（居宅療養管理指導のサービス提供に係る重要事項説明書及び同意書を用いた説明、居宅療養管理指導の契約関係書類作成、薬剤師の訪問日程調節）、医療機関との連携（居宅療養管理指導の診療情報提供書や指示依頼）。
【結果】
医療事務の介入時間は9月30時間、10月25時間、11月20時間、12月20時間、1月15時間、2月15時間。従来薬剤師が行っていた月平均約20時間の業務を医療事務が担うことができた。
【考察】
取り組み開始より徐々に各取引先との関係性が構築され、医療事務の介入時間が短縮、効率化された。在宅医療や地域包括ケアシステムの知識習得に苦労したが、社内教育システムを活用することで解決した。医薬品の適正使用に関する相談など医療事務のみで対応できないこともあり、困ったことがあれば薬剤師と相談・連携して進めることで解決した。
今まで薬剤師が行っていた業務を整理・分担し直すことで、薬剤師の対人業務の充実と時間の確保という価値転換ができた。薬剤師が確保した時間は医療機関との連携や在宅訪問、地域ケア会議や健康サロン参加に充てられるようになった。