第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-200-B] 医療安全の推進を目的とした処方箋入力時における二次元バーコード入力使用率向上への取り組み

田中 恵美子, 楠富 伊織, 椛田 昇治, 山下 祥史, 犬塚 博貴, 森田 みゆき, 小川 愛 ((株)トータル・メディカルサービス)

【目的】
調剤薬局における調剤・交付に関連するミスの約34%が入力時に発生していると報告されており、医療安全上の問題となっている。処方箋に印字される二次元バーコード(以下BC)を用いる事が入力ミス減少に有効である可能性が報告されているが、当社のBC入力使用率は低い。そこで本研究はBC入力に関する独自の操作マニュアル展開や質問窓口の設置によりBC入力使用率に影響があるか調査する事を目的として実施した。
【方法】
九州・中国エリアに調剤薬局を展開している当社では、18店舗にBC入力機器を導入している。事前調査としてその時点でのBC入力機器使用率を各店舗管理者に回答してもらい、使用率が75%以下の11店舗のうち研究に同意した9店舗(0-25%の8店舗、51-75%の1店舗)を対象とし、マニュアル展開及びBC入力に関する質問受付を行った。本研究におけるBC入力の定義は「QRコードを読込み、処方入力を行った場合」とした。ただし、読込後の入力過程において過去の入力内容の引用を実施した場合はBC入力ではないものとした。また、BC入力が不可能な処方箋は除外した。2022年4月から7月の月末7営業日のBC入力使用率を算出した。使用率を0-25%、26-50%、51-75%、76-100%のカテゴリで分類し、事前調査時と比較した。
【結果】
4月から7月の合計のBC入力使用率は、0-25%が1店舗、26-50%が1店舗、51-75%が4店舗、76-100%が3店舗となり、9店舗中8店舗が事前調査時より上位のカテゴリとなった。質問は8件受け付け、類似する質問を取り纏めた上で、回答と併せBC機器使用中の全店舗に共有した。
【考察】
各店舗へのマニュアル展開と質問受付により、BC入力の使用方法の理解と疑問の解消に繋がり、使用率が向上したと推察する。先行研究より、BC入力使用率が向上した事で入力ミスは減少傾向にあると期待されるが、今回の研究デザインでは実際のミス発生率については調査できていない為、今後の研究課題である。