第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Mon. Oct 9, 2023 1:10 PM - 1:50 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-211-A] オンラインでのチーム基盤型学習による薬局医療従事者へのEBM教育効果の取り組み報告

今井 真穂1, 小納谷 洋平2, 山本 純弥3, 上田 昌宏4 (1.薬樹(株)薬樹薬局ライフ溝口店, 2.新規事業開発グループ2, 3.鷺沼, 4.摂南大学薬学部)

【目的】
効果的な教育手法として注目されているチーム基盤型学習(TBL)が、薬局医療従事者を対象とした生涯学習で導入されている例は少なく、またオンラインでの実施に関する報告もない。そこで、本研究では薬局医療従事者に対する医学論文を用いたEBM教育においてオンライン版TBLを導入し、アンケートによる意識調査を行ったため、取り組み内容を報告する。
【方法】
ソーシャルユニバーシティ薬剤師生涯学習センターのEBM研修会(2023年2月19日実施)の参加者15名の薬局医療従事者を対象に記名式のWebアンケート調査を研修会前後に行った。収集した個人情報(氏名、職歴、職種)は匿名化を実施した。アンケート内容は参加者属性やEBMを含む医薬品情報の意識や活用経験を5件法あるいは10件法で問う内容である。前後同一設問の回答にFisherの正確確率検定を行った。なお、プレ、ポストアンケート両方に回答したものを有効回答とした。
【結果】
参加者属性は薬剤師が12名、管理栄養士が2名、理学療法士が1名であり、有効回答は14名であった。5件法の結果を以下に示す。プレ「EBMの5 Stepsの活用経験」の平均値は2.21、ポスト「EBMの5 Stepsの活用自信」の平均値は3.93であった。以下、「医薬品情報に関する項目」(プレ値、ポスト値、p値)とする。「積極的な活用」(3.53, 4.07, 0.41)、「活用は楽しい」(3.57, 3.93, 0.15)、「活用は今後業務に役立つ」(4.07, 4.29, 1)であった。
【考察】
オンライン版TBLを行うことで、EBM活用の自信を持ち、医薬品情報の活用への前向き印象を持つ傾向があった。本方略は、薬局医療従事者に対する教育手法として有用な可能性がある。ただし、本研究は実臨床の影響については未測定であるため今後、実臨床でのEBM活用状況や対人業務の影響を調査する必要がある。本研究の限界として、回答者が少なく母集団を反映していないデータであるが、小規模学習会の傾向を把握できたと考える