第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-215-B] 薬局廃棄物から思索するSDGs達成に向けた薬局業務での現状と課題

島 優馬1, 丸田 勇樹1,2 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局 日立店, 2.国際医療福祉大学大学 薬学研究科 医療・生命薬学専攻)

【目的】
保険薬局では安全性・品質性担保の観点からペーパーレス化や包装の簡素化が難しく、多量の紙やプラスチックが薬局内、患者宅にて廃棄されている。SDGsの達成目標「12:つくる責任・つかう責任」があるように、可能な限りの省資源化が要求されるため、現状と課題を個々が認識する必要がある。本調査では廃棄量と内容を把握し、社員への意識調査を通じて、保険薬局における省資源化実現に向けての対策や今後の展望への示唆を得ることを目指す。
【方法】
2023 年3 月23 日~29 日に薬局内で廃棄された資源ごみ(分包紙、PTPシート、帳票類,等)を計量し、1 年あたりの廃棄量を概算した。また同期間内に来局した患者の分包調剤の有無を調査し、患者宅での分包紙の廃棄量を同様に概算した。さらに2023 年4 月24 日~28 日に北関東・神戸支店の薬剤師・医療事務の計420 名を対象に実施した「SDGsに関する意識調査」のうち、達成目標12 を達成すべきであるが現状は未達成と考える回答者の自由記載項目「薬局内で環境に配慮されていないもの」の回答内容を精査した。
【結果】
年間の概算廃棄量は分包紙:65.1 kg、PTPシート:92.5 kg、帳票類:795 kg、薬品の包装紙:1210 kg、患者の手元に渡った分包紙:322 kgであった。またアンケート回答率は319 名であり、SDGsの達成目標12 を達成すべきであるが現状は未達成と考える割合は114 名(36 %)であった。そのうち自由記載項目「薬局内で環境に配慮されていないもの」の回答の内25 名(22 %)が帳票類に関する項目、24 名(21 %)がプラスチック媒体に関する項目であった。
【考察】
省資源化実現に向けてSDGs項目を達成するためには個別対応による包装の簡素化や帳票類の電子化等の取り組みが課題解決の糸口となり得るのではないかと考える。また患者、社員双方にSDGsに対する認識が浸透し、社会全体を巻き込んだ資源削減に対しての行動が今後は期待される。