第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-220-A] 大規模災害時において薬局利用者が薬局に求めることに関する意識調査

松浦 美典1, 末澤 千恵2, 竹田 純子3, 庄村 元希4 (1.(株)なの花中部 なの花薬局名張夏見店, 2.なの花薬局観音寺店, 3.ちさと店, 4.事業部教育セクション)

【目的】
日本は災害大国であり、東海地方では南海トラフ地震が起きた際大きな被害が出ることが予想される。事業継続計画や災害対策マニュアルを策定している保険薬局(以下、薬局)は多いが、薬局利用者が災害時、薬局に何を求めているかは明らかになっていない。今回、薬局利用者が災害時に薬局へ求めることを明確にし、薬局としてどのような準備を実施すべきかを考える目的で、薬局利用者に対し大規模災害時のアンケート調査を実施した。
【方法】
2023年3月14日なの花薬局8店舗の利用者を対象にQRコード付アンケート用紙を配布し、匿名によるアンケート調査を行った。調査項目は「3か月以上続けている薬(以下、定期薬)の有無」「普段のお薬手帳の管理方法」を単一選択、「災害時に薬局に求めること」「災害時に備えて薬局に教えてほしいこと」を複数選択とした。
【結果】
回答者数225名。定期薬ありは149名(66.2%)であった。以下、定期薬あり群の結果を示す。災害時薬局に求めることは「平時と同様の薬剤交付」が77.9%と最も多く、「定期薬がなくなった際の対応方法の説明」が62.4%と続いた。災害時に備えて教えてほしいことは「災害時の薬剤の受取方法」が81.2%と最も多く、「お薬手帳の活用方法」は18.1%のみであった。また普段のお薬手帳の管理については「医療機関受診時のみ携帯」49.7%、「常時携帯(電子手帳含む)」27.5%であった。
【考察】
今回の結果から薬局利用者は災害時においても安定した薬の交付を求めていることが明らかになった。定期薬がある場合、災害時に薬がなくなった際の対応方法に対するニーズも高かった。一方、定期薬がある場合もお薬手帳を常時携帯する割合は低く、お薬手帳の災害時の活用方法の認識が低いと考えられる。今後、お薬手帳の活用を盛り込んだ災害時の薬受け取り方法を作成し、災害時に備えた啓蒙活動を行う。