第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

優秀演題候補セッション(口演)

優秀演題候補セッション(口演)

2024年11月3日(日) 09:00 〜 10:20 第6会場 (4階 416+417)

座長:大上 哲也(千葉科学大学 薬学部 教授) 副座長:伊藤 将(株式会社アインホールディングス 医療連携学術部 学術課 リーダー)

[AO-07] 薬局トモズにおける特定保健指導の実態調査

小澤 栞, 永原 礼美, 安齋 琴美, 柳田 海, 浦野 和佳奈 ((株)トモズ)

【目的】特定保健指導は、特定健診の結果より、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による効果が多く期待できる対象者に行われる厚生労働省の健康支援施策である。薬局トモズでは、2023年6月より管理栄養士による特定保健指導を開始し、2024年5月現在、29名の実績が蓄積されてきた。そこで今回、効果的な栄養指導方法の検討と管理栄養士の指導力向上を目的に、当薬局における特定保健指導の実態を調査した。
【方法】特定保健指導の対象者のうち、当薬局での特定保健指導実施を希望し、来局して特定保健指導を受けた29名を対象とした。匿名化された特定保健指導データより、実施管理栄養士数、平均実施期間、健康診断結果、初回面談・継続支援実施内容、体重・体重減少率、腹囲・腹囲減少率の各項目について調査を行った。
【結果】支援を実施した管理栄養士は5名。初回面談時から最終支援までの平均3.1か月で、体重が減少した対象者は66%、腹囲が減少した対象者は58%であった。体重・腹囲が減少した対象者では、食事を変えることに多少抵抗していたが、間食の内容変更や階段を使う等の小さな運動習慣から行動変容を起こせるように支援していた例があった。また、運動は難しいとのことから、食事に関しての実施可能な目標を設定し達成できていた例もあった。一方、体重・腹囲が増加した対象者では、難度の高い目標を設定した結果、3か月間での6回の指導にもかかわらず、一度も達成できていない例があった。
【考察】栄養指導の際、対象者の健康意識や意欲を確認し、達成可能な目標を設定することで体重・腹囲減少に効果的であることが示唆された。また、期間内に複数回栄養指導を行うことで、対象者の目標達成度を確認しながら必要に応じて達成可能な目標に変更することも必要であると考える。今後は結果に繋がる栄養指導を行い、対象者の生活習慣の改善や生活習慣病のリスク軽減に努めていきたい。