[P-152-B] 加藤薬局グループにおけるハラスメント対策
【目的】調剤薬局におけるハラスメント問題は従業員の健康に深刻な影響を与え職場の生産性を低下させる要因となる。加藤薬局グループは従業員が1店舗6名程であり、1つのハラスメント事例が店舗に与える影響は非常に大きく、ハラスメントを未然に防ぐことが重要と考える。ハラスメントが起こる大きな要因の一つがコミュニケーションの欠如と考えられ、今回全店舗でハラスメント研修を行いコミュニケーションの改善を行っていく。コミュニケーションの大切さを理解し、共有することで安心して働ける職場作りに繋げていく。【方法】2024年2月より全18店舗を訪問、店舗毎にハラスメント研修を実施した。全体研修ではなく気軽に意見交換ができるよう少人数の研修とし、研修後は個別相談の時間も設けた。内容はハラスメントによる影響、定義、言動、日頃の心がけ、ハラスメントを受けた際の対応、社内の相談窓口、特にコミュニケーションの重要性に重きを置いた。双方のコミュニケーション不足による人間関係の亀裂が原因でハラスメントに繋がる可能性を提示し、日頃からの相互理解、会話の機会を増やすことを促し、まずは誰に対しても実行できる日々の挨拶から見直すよう提案した。【結果】全18店舗93名が受講した。ハラスメントは上司から部下に対しての行為だけであると誤解していた受講者もあり正しい知識を得る機会となった。6名程度での研修は質問や意見を提示しやすい環境になり、店舗の現状や過去の経験等を身近に共有できた。コミュニケーション不足により上司からの指示に対する認識のずれや、ハラスメント行為の明確な線引きが無いため対応に苦慮している声も確認した。【考察】少人数での対面研修は現場の意見を直接聞ける点で非常に有効な方法であった。ハラスメントの問題は一時的な呼びかけ、一回限りの研修で防ぐことは困難であるが、コミュニケーションの活性化はハラスメント防止に繋がる第一歩である。