シンポジウム12
「薬剤師の職能を見える形で患者さんに評価してもらえるために 神奈川県薬剤師会合同シンポジウム」

[SY12-3] より良いプレアボイド報告のために ー事例報告のポイントと実践例を交えてー

^○北代 玲子 (株式会社わかば わかば薬局大津店 管理薬剤師)

　私が新卒薬剤師として入社した当時、弊社では他の薬局に先駆けてプレアボイド事例を社内で収集し、報告するなど積極的な取り組みを行っていました。私自身も社内研修や他の機関による研修会に参加することで、プレアボイドについて理解を深め、実際に様々な報告を行いました。その経験や知識を活かし、外来患者や在宅現場での処方箋の見直しや薬物治療の組み立てに参画し、トレーシングレポートを作成して治療の経過を医師に報告することで、より良い薬物治療の実施に貢献できたと思います。
　プレアボイド報告は「薬物療法において薬剤師が必要である」ことを示すものであり、安全かつ有効な薬物療法を実施するために重要な役割を果たしています。薬剤師が医薬品の安全性や有効性の向上に対しその専門性を発揮することは、他職種との連携においても重要な意味を持ちます。また、薬剤師が患者一人ひとりの薬物療法を見直し最適な治療に結びつけることで、かかりつけ薬剤師として患者との良好な関係を構築するきっかけを生み出すと考えられます。さらに医療現場での対応だけでなく、結果を厚生労働省や製薬企業に積極的に報告し、より安全な薬物治療に貢献することも重要であると考えられます。
　現在、企業内や様々な機関でプレアボイドの事例が報告されています。本シンポジウムでは、私が神奈川県薬剤師会に応募した事例を紹介しながら報告のポイントを紹介します。シンポジウムを通じて事例報告の知識を増やし、スキルアップの手助けとなれば幸いです。皆様が医療に貢献できる次なるプレアボイド報告を生み出すことを期待しています。