緩和・支持・心のケア 合同学術大会2020

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委員会企画

[CM_1] 緩和ケアも関わる感染管理

座長:中村 陽一(東邦大学医療センター大森病院),中尾 正寿(NTT東日本関東病院)

中村 陽一 利益相反1~10:該当なし
中尾 正寿 利益相反1~10:該当なし

[CM_1-1] 2015年に世界保健機構の総会では薬剤耐性(Antimicrobial Resistance:AMR)に関するグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国はAMRに関する国家行動計画を策定することを求められた。2016年伊勢志摩サミットでAMRアクションプランが示され、普及啓発・教育と動向調査・監視、感染予防・管理、抗微生物剤の適正使用、研究開発・創薬、国際協力の6つの項目とその分野に関する目標を設定した。日本の2019年の調査では、MRSA菌血症とフルオロキノロン耐性大腸菌菌血症で年間8,000名が死亡しているとの報告がある。MRSAは減少傾向にあるが、大腸菌の第3世代セファロスポリン系抗菌薬とフルオロキノロン系抗菌薬の耐性率が増加傾向にあり、2018年は27.5%と40.9%であり前年に比べ増加している。大腸菌の耐性率は東日本より西日本や九州が高く地域差が見られている。
2020年コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、市中と病院内での手指衛生と咳エチケットが向上し、接触や飛沫で感染する感染症は減少している。しかし、COVID-19の治療では、62%が抗菌薬を投与されたとの報告があり、患者数の増加や流行の長期化により薬剤耐性菌の増加が懸念される。また、COVID-19対策に人員が必要となり、個人防護具やアルコール、個室が優先して使用されることにより、薬剤耐性菌発生時に使用できる資源が、通常より低下する可能性がある。当セッションでは、現在のAMR対策の動向についてお伝えしたい。

中根 香織 (昭和大学病院)

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