緩和・支持・心のケア 合同学術大会2020

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委員会企画

[CM_1] 緩和ケアも関わる感染管理

座長:中村 陽一(東邦大学医療センター大森病院),中尾 正寿(NTT東日本関東病院)

中村 陽一 利益相反1~10:該当なし
中尾 正寿 利益相反1~10:該当なし

[CM_1-2] 終末期癌患者で発熱を認めることは非常に多い。熱源として感染症が占める割合は高く、対応として抗菌薬は頻繁に使用されている。しかし、終末期患者に対する感染症治療の明確な診療指針はなく、経験的治療をしていることが現状である。また抗菌薬は他の延命治療よりも開始の閾値が低い一方で、一度開始したら中止されにくい傾向にある。そこで、抗菌薬治療におけるメリットとデメリットを明確にし、終末期患者に対する抗菌薬の役割について整理する必要があると考えた。
終末期癌患者では、様々な要因で症状が目立たないことがある。更に、検査を控えるシチュエーションも多く、感染症の基本である感染臓器の特定が困難なことをしばしば経験する。また、感染症以外の要因で頻度の高い熱源も複数あり、それらが併発している場合もある。こうした中で、可能な限り、感染症かそれ以外かを判別し、感染臓器を特定する努力をする必要がある。次に感染症と判断した場合には、抗菌薬を使用する目的を、「症状緩和」なのか「生命予後の改善」なのか明確に意識した方が良い。場合によっては、あえて抗菌薬を使用しないという選択肢を取ることが適切なこともある。抗菌薬を使用する場合には、ケアのゴールを医療者と患者・家族で、事前に共有すると良い。そうすることで、具体的な抗菌薬の投与方法や治療期間、薬剤選択、追加する検査の内容やその頻度を決定することが可能となる。

工藤 仁隆 (飯塚病院 総合診療科)

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