サイエンスキャッスル2018

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[SS106] ポスター発表 奇数

2018年12月16日(日) 14:35 〜 15:15 ポスターエリア (2F 第一研修室、3F第二研修室・調理実習室)

[P-29] 北海道の港のアリ -港のアリの地域間比較-

中村文菜, 大吉響 (池田学園池田高等学校 SSH課題研究Team Ayana)

キーワード:北海道、港、ハニ-ベイト、優占種、類似度

<概要>
北海道の4つの港(小樽港,苫小牧港,室蘭港,函館港)から,2亜科7属11種のアリが採集された。採集された11種のうち,エゾクシケアリなど4種は今回の調査で港から初めて採集された。クロヤマアリなど4種は4港すべてで採集された。北海道の港から外来アリは1種も発見されなかった。全ハニ-ベイト(120個)への出現頻度で推定した最優占種はクロヤマアリで,120個中82個(68.3%)でみられた。4港すべてでみられ,最優占種であったクロヤマアリは北海道の港を代表するアリであると考えられる。野村・シンプソン指数によって求めた4港間の種構成の類似度は,小樽港ー函館間(0.83)と室蘭港ー函館間(0.83)でそれぞれ最も高かった。北海道の港とこれまで調査を行った6地域間で種構成の類似度をみると,北海道とその他の6地域との間に大きなギャップがみられた。
<考察・展望>
北海道の港とこれまで調査を行った南日本の6地域間で種構成の類似度をみると,北海道と南日本の6地域との間に大きなギャップがみられた。これは,南日本,北海道のそれぞれの環境に適応したアリが多数みられたことによる。また,北海道の港に外来アリはまったく採集されず,南方ほどその割合が高くなる傾向がみられた。これは,外来アリは主に外国航路の船舶の貨物に紛れ込んで侵入はするものの,冬の寒さが厳しい北海道では定着できないことが主な要因と考えられる。