日本地震学会2020年度秋季大会

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Session for Selection of Student Presentation Award

Session for Selection of Student Presentation Award » Room B (S07, S08)

[SPA]PM-3

Thu. Oct 29, 2020 4:00 PM - 5:00 PM ROOM B

chairperson:Makiko Ohtani(Earthquake Research Institute, the University of Tokyo)

4:00 PM - 4:10 PM

[S07P-01] Seismic structure of the lithosphere-asthenosphere system beneath the oldest seafloor–the broadband dispersion analysis of the Oldest-1 (Pacific Array) data

*Yuki Kawano1, Takehi Isse1, Akiko Takeo1, Hitoshi Kawakatsu1, Hajime Shiobara1, Nozomu Takeuchi1, Hiroko Sugioka2, YoungHee Kim3, Hisashi Utada1, Sang-Mook Lee3 (1. Earthquake Research Institute, University of Tokyo, 2. Kobe University, 3. Seoul National University)

太平洋プレート上に地震・電磁気観測のアレイのアレイを設置し, 海洋マントル構造の年代依存性や太平洋プレートの成長過程の解明を目標とした国際協力計画「Pacific Array」が2018年に始動した. 日韓合同観測チームは, 2018年から2019年に, マリアナ海溝沖の太平洋底における「Oldest-1アレイ」の設置・回収作業を行った. このアレイは太平洋最古の海洋底(170 Ma)に位置するため, 直下のリソスフェア-アセノスフェア構造には, 太平洋プレートの成長過程が記録されていると期待され, Pacific Arrayの目標達成に向けて重要な役割を担う.

そのなかで本研究は, アレイ直下のマントルの地震波速度構造の解明を目指し, 広帯域表面波アレイ解析を行う. まず, 地震波記録のS/N比向上のために, 鉛直成分記録について, 傾斜ノイズおよびコンプライアンス・ノイズの低減処理を行い, 次に, 表面波アレイ解析により, アレイ内平均位相速度を計測する. 短周期(<40秒)では地震波干渉法を用い, 4成分(鉛直成分, 圧力成分, Radial成分, Transverse成分)から, 基本モード及び1次モード・レイリー波と基本モード・ラブ波の位相速度を計測した. 長周期(>30秒)では遠地地震波解析から, 基本モード・レイリー波の位相速度を計測した. さらに, レイリー波のアレイ内平均位相速度 (7–100秒)から, 深さ150 kmまでの1次元等方βv (Vsv)構造を推定した. 得られた構造は「ふつうの海洋マントル」計画の海域B(140 Ma)の構造(Takeo et al., 2018)とよく似たものであった. 今後は方位異方性やより長周期の位相速度の計測を行い, 過去のプレート拡大方向や現在のマントルの流れ場を推定するとともに, より深部の構造の解明を目指す.