16:00 〜 17:30
[S08P-15] 個別要素法を用いた粉体のせん断に伴う間欠的なイベントの発生条件の検証
自然地震(数十m以上の規模)では、すべり変位Dは断層長Lでスケールされることが知られている(Scholz, 1982; Dawers et al., 1993)。この種の地震のスケーリング関係は、小さい側には、室内実験における岩石の微小破壊(AE)まで延長できるのかもしれない(Yoshimitsu et al., 2014)。一方、室内実験におけるスティック-スリップは地震現象の有力なアナログと考えられてきたが、我々は、実験研究者により出版されている18の論文のデータから、自然地震のL-Dスケーリング関係との乖離を発見した。具体的には、自然地震のスケーリング関係の延長よりも実験のすべり変位Dは大きくなる傾向にある。とりわけ、人工的なガウジを挟んだすべり実験では、この傾向が顕著に見られた。
この結果に基づいて、本発表では、粉体の摩擦にコントロールされたスティック-スリップについて理解を深めるため、3次元個別要素法に基づく粉体せん断の数値シミュレーション(e.g., Hazzard and Mair, 2003)による数値実験を行う。事前の予備実験により、ある種の条件下では自発的にスティック-スリップのような間欠的なイベントが発生することを確認できた。このための条件やその様態の変化について、粉体の大きさ(粒径)・回転の有無・パッキングの状態などを変えながら調べる。現在のところ、イベントの最大すべり速度に対して、粒径が負の相関を示すこと、および、パッキングの強さが複雑に影響を及ぼすことがわかっている。また、この2つのパラメータと比較して、背景のせん断速度の影響は小さいことを確認している。
この結果に基づいて、本発表では、粉体の摩擦にコントロールされたスティック-スリップについて理解を深めるため、3次元個別要素法に基づく粉体せん断の数値シミュレーション(e.g., Hazzard and Mair, 2003)による数値実験を行う。事前の予備実験により、ある種の条件下では自発的にスティック-スリップのような間欠的なイベントが発生することを確認できた。このための条件やその様態の変化について、粉体の大きさ(粒径)・回転の有無・パッキングの状態などを変えながら調べる。現在のところ、イベントの最大すべり速度に対して、粒径が負の相関を示すこと、および、パッキングの強さが複雑に影響を及ぼすことがわかっている。また、この2つのパラメータと比較して、背景のせん断速度の影響は小さいことを確認している。