日本地震学会2020年度秋季大会

講演情報

ポスター会場(2日目)

一般セッション » S10. 活断層・歴史地震

S10P

2020年10月30日(金) 16:00 〜 17:30 P会場

16:00 〜 17:30

[S10P-12] SITES法によるスマトラ断層の断層面推定

〇山品 匡史1、大久保 慎人1、田部井 隆雄1、Muksin Umar2、Nazli Ismail2 (1.高知大学、2.Syiah Kuala 大学)

インドネシア、スマトラ島北部のスマトラ断層の断層面など地下構造を理解するため、断層周辺で得られた地震波形記録に地震波干渉法による地下構造推定法であるSITES法(大久保, 2009, JpGU2009, S157-015)を適用した。スマトラ断層の各セグメントでは中規模の地震(M> 5)の発生可能性があり、科学的研究だけでなく災害軽減のためにも、断層の位置や形状を詳細に調査することが重要となっている。

本研究で用いるSITES法は、一般的には鉛直成分記録のみを用いる地震波干渉法を3成分の記録全てを用いるように発展させた解析手法であり、地震波反射面(例:断層、帯水層)の空間的な広がりを一観測点での記録からも評価可能である利点を持つ。我々は、スマトラ断層のセグメントの1つであるSeulimeumセグメント周辺で行った地震観測の記録に対してSITES法を適用した。断層面からの反射波と考えられる信号を抽出することができ、反射面の存在を示唆する初期的な結果を得ている(Yamashina et al., 2019, AGU Fall 2019, S11D-0373)。したがって、SITES法はスマトラ断層の位置や形状の調査に適用が可能と評価している。

本研究では、2011-2015年にスマトラ島北端部Ache州を中心に行われた臨時地震観測で得られた3成分記録を用いた。観測に用いた地震計はSercel社L-4C-3D(固有周波数:1 Hz)または近計システム社KVS-300(2 Hz)、データ収録には近計システム社EDR-7700またはEDR-X7000を用いた(山品・他, 2015, 平成26年度地震研究所職員研修会アブストラクト集, P-08)。

本発表では、スマトラ断層Ache、Seulimeum 両セグメント近傍で行われた地震観測により得られた記録に対してSITES法を適用して得られた解析結果を示す。

謝辞:本研究では、科研費JP24403005、JP17H04577によって得られたデータや成果を利用しました。