The 2023 SSJ Fall Meeting

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Poster session (Sept. 17th)

Regular session » S06. Crustal structure

[S06P] PM-P

Wed. Nov 1, 2023 5:00 PM - 6:30 PM Room P6 (F201 and 3 side foyer) (Hall Annex)

[S06P-02] Time-lapse seismic reflection study off Tokachi

*Tetsuo NO1, Tetsuro Tsuru2,1, Yasuyuki Nakamura1, Gou Fujie1, Kazuo Nakahigashi2, Seishiro Furuyama2, Ryo Miura1, Shuichi Kodaira1 (1. JAMSTEC, 2. Tokyo University of Marine Science and Technology)

十勝沖はM8前後のプレート境界型の大地震がここ100年で複数回発生していて、直近で発生したのは今からちょうど20年前の2003年9月である。この地震に関連した研究の1つとして、Tsuru et al. (2005)は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の深海調査研究船「かいれい」に搭載されているマルチチャンネル反射法地震探査システムを用いて、地震発生前の2000年6月と地震発生後の2003年12月に実施した反射法地震探査のデータを用いて、地震前後での反射面のイメージの変化の抽出を試みた。その結果、2003年十勝沖地震の震源域付近に相当する位置における反射面でイメージの変化を抽出することに成功した、この反射面における反射率の変化は約2.7倍と見積もられ、P波速度の1.9%減少、空隙率の1.6%増加、剪断応力の2.2~5.6MPa減少に相当すると評価し、震源域付近での流体の移動によって生じた可能性を示唆した(Tsuru et al. 2005)。
2003年の地震発生以降、十勝沖においては、2008年に2003年の本震近傍でM7.1の地震が発生し、2012年には海溝海側斜面に位置している襟裳海山南東部で地震活動が活発化し、M6クラスの地震も2度発生した。また、地震調査研究推進本部は2017年12月に「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)」を新たに公表し、それを受けてJAMSTECでは千島海溝北海道南東沖の地殻構造探査データの新たな取得を進めるために、2019年~2022年に「かいれい」や海底広域研究船「かいめい」を用いた調査を実施した。その調査の中で、Tsuru et al. (2005)の研究と同一測線にて、2020年に「かいめい」を用いて、新たな反射法地震探査データを取得することができた。
Tsuru et al. (2005) で用いた2000年と2003年のデータは、当時「かいれい」に搭載されていた同じデータ取得システム(エアガン・ストリーマーケーブルなど)を用いて、データ取得仕様(発震間隔・受振点間隔・曳航深度など)もほぼ同じ形で取得されたが、2020年の「かいめい」のデータは、データ取得システムは全く異なり、データ取得仕様も発震間隔を除くと異なっているパラメータが多い。そこで、データ解析上でできる限り2000年や2003年のイメージングに合わせたフローチャートで実施した。
本発表では、十勝沖で3回行った繰り返し反射法地震探査のデータを用いたイメージングの変化の抽出の試みについて、報告する。

参考文献:Tsuru et al. (2005) Did expanded porous patches guide rupture propagation in 2003 Tokachi-oki earthquake?, GRL, doi:10.1029/2005GL023753