The 2024 SSJ Fall Meeting

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Room C

Regular session » S01. Theory and analysis method

[S01] AM-2

Wed. Oct 23, 2024 10:45 AM - 12:15 PM Room C (Medium-sized Conference room 302 (3F))

chairperson:Kiwamu Nishida(ERI, the university of Tokyo), Tomoya Takano(Hirosaki University)

11:30 AM - 11:45 AM

[S01-10] Ocean gravity wave excited by the 2022 eruption of Hunga Tonga-Hunga Ha'apai Volcano: the excitation mechanism

*Kiwamu NISHIDA1, Mie Ichihara1, Tatsuya Kubota2, Takashi Tonegawa3 (1. Earthquake Research Institute,The University of Tokyo, 2. National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience, 3. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (JAMSTEC))

2022年1月15日、海底火山であるフンガ火山で大規模な噴火が発生した。噴煙は中間圏までに達し、顕著な大気Lamb波を励起した。大気Lamb波は海面変動を引き起こし、特異な津波として観測された。このような大気波動と津波のカップリング現象は、1883年クラカタウ噴火時にも観測されたが、現代的な観測によって捉えられたことは初めての事であった。また、今回の2022年フンガ火山の噴火に伴う振動現象を理解する上で、大気波動と津波、地球自由振動など、多圏にわたるカップリングが重要な役割を果たしている事が分かってきた。
噴火を理解する上で、噴火の推移を推定することは重要である。火山近傍で地震・空振観測記録があれば理想的であるが、海洋島での観測は限られているのが現状である。例えば遠地の空振観測による噴火推移の推定もなされているが、伝播の複雑性が定量的な議論の妨げとなっている。今回の噴火では、特に長周期帯域(<10mHz)では、多圏にわたるカップリングが波動の伝播を複雑にしており、噴火の推移の推定の障壁になっている。今回海、洋外部重力波の短周期成分(0.015-0.05Hz)を解析する事に成功した。津波と異なり位相速度が100m/s以下と遅いため、大気とのカップリングの効果は弱いため、単純なモデリングが可能である。本研究では、海洋外部重力波の解析から噴火の推移を制約する事を目的とする。
本研究では、S-netの水圧計を11観測点を解析した。これらの観測点では0.015-0.05Hzの周波数帯域で正の分散性をもつ海洋外部重力波を記録していた。0.015Hzでは噴火からおよそ2日後、0.04Hzではおよそ5日後に到来を確認出来た。S-net波形記録をモデリングしたところ、15~40mHzの周波数帯域で、およそ1E10N程度の大きさのランダムな鉛直方向のシングルフォースで説明出来る事が分かった。励起は4:00UTCに始まり、4:30UTC頃に最大に達した。励起は徐々に減衰したが、半日程続いた。8時40分(UTC)には、最大 のサブイベントを観測した。
推定されたシングルフォースの大きさは、地震波よりも3桁程小さい。これは、山頂上部の海水の吹き飛ばされていた事を示唆している。さらに、6-15mHz帯の津波もOSWの約2時間後に励起されることがわかった。この観測は、火口への海水の流入時にこの周波数帯域の津波が遅れて励起された事を示唆している。5mHzより長周期の津波は噴火時に励起されており、これは海水が吹き飛ばされた直後、噴煙と海水の境界が外側に向かって200秒程度の時定数で押し広げられたことを示唆している。この場合、津波の励起は初期波高で与えるよりは、湧き出しとして与えた方が物理的に自然であろう。