The 2024 SSJ Fall Meeting

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Poster session (Oct. 21st)

Regular session » S04. Tectonics

[S04P] PM-P

Mon. Oct 21, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S04P-01] Existing Probability of Triple Junctions Based on Plate Motion Angles

*Hironobu Fujisawa1, Naofumi Aso1 (1. Tokyo University of Science)

3つのプレートが交わる三重会合点については、局所的なテクトニクスと関連付けた議論が、しばしば個別になされてきた。一方、三重会合点の全球的な研究は、定性的な議論に留まることが多かった。例えば、隣接するプレートの相対運動は、走向に水平な方向と垂直な方向の二成分の連続量を持っているのにもかかわらず、横ずれ・収束・発散の何れかに分類された上で議論される傾向があった。

本研究では、世界中の三重会合点を網羅的かつ定量的に解析する。隣接する2つのプレートの相対運動ベクトルは、大きさと方向の情報を持っている。その相対運動方向とプレート境界の走向との成す角を用いて、プレート運動のセンスを表す角度を評価する。個々の三重会合点について、接続する3つのプレート境界におけるプレート運動の角度をそれぞれ計算し、3つの角度を座標値とする三次元デカルト空間に投影する。その上で、三次元空間内の三重会合点の分布を評価する。プレート運動に伴う変形の大きさに対応する指標として、三重会合点近傍で発生した地震数やモーメント総和も算出し、比較する。

分布の様子からは、明確にグループに分類できるような目立ったクラスターは確認できなかった。一方、データの分布が一様ではないことも明らかになったため、その密度分布に注目した。

3つのプレート運動の角度が何れも+45°を超える三重会合点は7つもあった。二項検定におけるp値は0.00084であり、プレート運動の角度が一様に分布しているという帰無仮説は棄却される。また、3つのプレート運動の角度が何れも–45°から+45°の範囲に収まる三重会合点が16もあった。更に、3つのプレート運動の角度が何れも–45°を下回る三重会合点が3つしかなかった。これらの結果は、前者の二つのタイプの三重会合点は稀で、三番目のタイプの三重会合点が多くみられるというMcKenzie & Morgan (1969)の主張と矛盾する。本研究では、マイナーなプレートまで考慮しているが、今後は主要なプレート境界に絞った場合と比較することで、主要な三重会合点が安定に存在している物理的条件を明らかにしていきたい。