10:45 AM - 11:00 AM
[S08-14] Spatial and temporal characteristics of repeating earthquake distribution in the Noto peninsula seismic swarm
繰り返し地震(リピーター)とは、断層面上の同じ位置において同じ破壊過程で繰り返し発生し、類似した波形が観測される地震のことである。プレート境界の繰り返し地震については発生メカニズムがよく研究されており、孤立したアスペリティが周囲の非地震性すべりによって繰り返し破壊されたものと解釈されている。しかし、繰り返し地震は地殻内地震や注水誘発地震でも見つかっており、プレート境界以外で発生する繰り返し地震のメカニズムを理解するためには、さらに検証が必要である。本研究では、2020年末から活発化している能登半島群発地震において繰り返し地震の検出を行った。この群発地震活動は流体との関連が示唆されており、流体移動によって非地震性すべりが促進され、繰り返し地震が誘発されていることが予想される。繰り返し地震を検出し、その時空間分布を調べることで、地殻内における繰り返し地震の発生メカニズムについて考察するとともに、能登半島の群発地震活動に関する理解を深めることを目的とした。
2020年1月から2024年1月1日のM7.6までの間に能登半島北東部で発生したM2-4の地震を対象とし、Double-Difference法を用いて震源再決定を行った上で、波形相似性と震源域の重複度の評価により繰り返し地震を同定した。その結果、解析した地震の12.8%にあたる236個の地震を含む、102系列の繰り返し地震が見つかった。
繰り返し地震は2021年5月以降に発生しており、群発地震の4つのクラスターの内、北部のNクラスターに最も多かった。2022年6月のM5.4までの期間には繰り返し地震が集中して発生しており、これは非地震性すべり発生のタイミングと対応している可能性がある。解析した地震数に占める繰り返し地震の割合は、日本列島直下の地殻内地震における平均と比較して高く、期間やクラスターごとに大きく差があった。この割合の違いは流体が関係している可能性がある。気象庁マグニチュード差が1以上の繰り返し地震ペアが存在していたが、スペクトル振幅から計算されたモーメントマグニチュード差は最大でも0.9であった。一定の断層サイズを仮定した場合、この差は応力降下量が20倍程度異なることに対応する。
繰り返し地震が集中するNクラスター内の断層面上に位置する地震を抽出し、繰り返し地震の空間的な特性を評価した。その結果、繰り返し地震の震源域は他の繰り返し地震を含む周囲の地震と重なっていることが多く、繰り返し地震パッチは従来解釈されてきたように孤立してはいないことがわかった。孤立していないアスペリティで発生する繰り返し地震についても検討する必要がある。
2020年1月から2024年1月1日のM7.6までの間に能登半島北東部で発生したM2-4の地震を対象とし、Double-Difference法を用いて震源再決定を行った上で、波形相似性と震源域の重複度の評価により繰り返し地震を同定した。その結果、解析した地震の12.8%にあたる236個の地震を含む、102系列の繰り返し地震が見つかった。
繰り返し地震は2021年5月以降に発生しており、群発地震の4つのクラスターの内、北部のNクラスターに最も多かった。2022年6月のM5.4までの期間には繰り返し地震が集中して発生しており、これは非地震性すべり発生のタイミングと対応している可能性がある。解析した地震数に占める繰り返し地震の割合は、日本列島直下の地殻内地震における平均と比較して高く、期間やクラスターごとに大きく差があった。この割合の違いは流体が関係している可能性がある。気象庁マグニチュード差が1以上の繰り返し地震ペアが存在していたが、スペクトル振幅から計算されたモーメントマグニチュード差は最大でも0.9であった。一定の断層サイズを仮定した場合、この差は応力降下量が20倍程度異なることに対応する。
繰り返し地震が集中するNクラスター内の断層面上に位置する地震を抽出し、繰り返し地震の空間的な特性を評価した。その結果、繰り返し地震の震源域は他の繰り返し地震を含む周囲の地震と重なっていることが多く、繰り返し地震パッチは従来解釈されてきたように孤立してはいないことがわかった。孤立していないアスペリティで発生する繰り返し地震についても検討する必要がある。