[S08P-17] Analysis of rupture velocity based on the interaction between heat and fluid pressure and the rate- and state-dependent friction law
亀裂端の伝播速度は多様性があることが知られており、それを再現するモデルも提案されている。熱・流体相互作用を取り入れた亀裂モデルでは、自発的に亀裂を進展させるとその伝播速度は剪断波速度まで達する。一方で、空隙生成効果も取り入れると伝播が自発的に停止する場合も現れる(Suzuki and Yamashita, 2009)。しかしこういったモデルにおいては、その中間になるような、すなわち剪断波速度よりは十分小さく、かつ一定であるような伝播速度を実現することはできていない。一方で、断層面外での非弾性なエネルギー消費を考えればそのような伝播速度も再現できるが、滑り量が実際の断層で観測されるものよりも大きくなってしまうという問題もある。
ここで、例えばSuzuki and Yamashita (2009)等の研究では、一定の静摩擦係数と動摩擦係数を仮定していたことに着目する。ここに速度状態依存摩擦則を導入することを考える。これによって自発的破壊の進展のし易さに影響を与えることが期待される。亀裂内部での応力降下量を変化させて外部の応力集中の程度を変えるとともに、外部での摩擦係数の変化も現れるからである。加えて、滑り量に関してもA-Bの値を変えることによって合理的なものとできる。
モデルとしては、上述のようにSuzuki and Yamashita (2009)に速度状態依存摩擦側を導入し、2次元面外剪断亀裂の自発的伝播を考える。ただし、先行研究では熱・流体・空隙相互作用を導入していたが、ここではモデルの単純化のため、空隙の効果は考えず熱・流体相互作用を考えることにする。空隙生成の効果は、亀裂面上の流体圧の減少と滑りの減速を導くが、A-B>0とすることによってこれに代わる効果とできる。一方、その仮定下でも熱・流体相互作用によって滑り(速度)弱化も表現される。
計算の結果、A-Bの値よりもw_hの値の方が伝播速度に影響を与えることが示唆された。亀裂伝播において、熱・流体効果による応力降下量の変化の効果の方が、摩擦係数の速度・状態変数依存性の効果を上回るということである。熱・流体の効果を取り入れた亀裂伝播の取り扱いが不可欠であることを示唆する。またいずれの場合にも、滑り分布についても現実的なものが得られた。
ここで、例えばSuzuki and Yamashita (2009)等の研究では、一定の静摩擦係数と動摩擦係数を仮定していたことに着目する。ここに速度状態依存摩擦則を導入することを考える。これによって自発的破壊の進展のし易さに影響を与えることが期待される。亀裂内部での応力降下量を変化させて外部の応力集中の程度を変えるとともに、外部での摩擦係数の変化も現れるからである。加えて、滑り量に関してもA-Bの値を変えることによって合理的なものとできる。
モデルとしては、上述のようにSuzuki and Yamashita (2009)に速度状態依存摩擦側を導入し、2次元面外剪断亀裂の自発的伝播を考える。ただし、先行研究では熱・流体・空隙相互作用を導入していたが、ここではモデルの単純化のため、空隙の効果は考えず熱・流体相互作用を考えることにする。空隙生成の効果は、亀裂面上の流体圧の減少と滑りの減速を導くが、A-B>0とすることによってこれに代わる効果とできる。一方、その仮定下でも熱・流体相互作用によって滑り(速度)弱化も表現される。
計算の結果、A-Bの値よりもw_hの値の方が伝播速度に影響を与えることが示唆された。亀裂伝播において、熱・流体効果による応力降下量の変化の効果の方が、摩擦係数の速度・状態変数依存性の効果を上回るということである。熱・流体の効果を取り入れた亀裂伝播の取り扱いが不可欠であることを示唆する。またいずれの場合にも、滑り分布についても現実的なものが得られた。