The 2024 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Poster session (Oct. 21st)

Regular session » S09. Statistical seismology and underlying physical processes

[S09P] PM-P

Mon. Oct 21, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S09P-18] Spatial-temporal variation in the simulated seismicity from multiscale patch model

*Hideo AOCHI1,2, Takane Hori3 (1. BRGM, 2. LG-ENS, CNRS UMR 8538, PSL Research University, 3. JAMSTEC)

マルチスケールパッチモデルは断層面の不均質構造を模擬するのに有効であり、すべり弱化摩擦法則や、速度・状態依存摩擦則と組み合わせて、地震のシミュレーションが行われている。地震活動のシミュレーションは、後者の摩擦法則と組み合わせて行われることが多いが、摩擦の回復過程を入れ応力蓄積過程を考えることで、前者の摩擦法則と組み合わせることも可能である。応力蓄積過程として、断層面一様に応力が高まる場合、パッチの大きさに応じて応力が蓄積される場合、あるいは全くランダムにされる場合、などが考えられる。いずれの場合にも、最大イベントが起こるには、システム全体に十分な応力蓄積が必要であり、それに向かって地震活動が増えていく。暫定的な結果として、地震活動の時系列変化には応力蓄積過程の違いが見られるようではない。今回は、空間的に応力蓄積過程の違いが見られるかに焦点をおく。時間幅は固定した上で、分割した断層面上で、ETASパラメータの推定と地震頻度分布のb値推定を行う。地震活動が時間とともに増えるという性質のため、ETASパラメータの背景の地震活動度が時間とともに増え、空間的にもある程度不均一であるが、断層面のパッチ構造ないし、最大イベントの開始と結びつけるのは難しい。一方、b値は時間とともに、システム全体の応力蓄積量に伴って低下する。空間的にも不均一で、断層面一様に応力が高まる場合には、最大イベント震源域に有意なb値低下が見られた。観測された地震活動の統計的性質から、断層面上の不均質構造や応力蓄積過程を推測する上で理論的考察を与えると思われる。