[S10P-02] 森本・富樫断層帯周辺域の重力異常調査
森本富樫断層帯は、金沢平野の南東縁を走る総延長約26kmにわたる北東走向の逆断層からなる活断層帯である。その平均変位速度は約1m / 1000年と推定されており(地震調査研究推進本部地震調査委員会、2013)、また断層帯周辺には金沢市など人口密集地が分布していることからも、断層帯についてのより信頼性の高いデータを得ることは断層活動に伴う地震被害を推定する上で重要である。
2022年度から実施されている「森本・富樫断層帯における重点的な調査観測」の一環として、我々は断層帯周辺地域で重力測定を実施している。そして最新のDEMデータを合わせて用いることによって、高精度の重力異常データを得るとともに、重力異常データを用いた断層構造の推定等を行うことを目的とする。
2022年度から2024年8月までに森本・富樫断層帯周辺域に該当する金沢平野および断層帯東側の丘陵部にて新規に989点の重力測定を行ってきた。既存測定データを含めた重力測定データは、断層帯西部の平野において断層から距離5km以内の範囲のほとんどで1km2あたり2点以上の測定点が設置され、断層帯東部の丘陵地についても測定可能な地域では同様の測定点密度が得られている。
重力異常分布の特徴としては、金沢平野は低重力異常を示しており、その低重力異常域を横切るように森本・富樫断層帯の地表部が分布しているが、重力異常分布は断層帯の分布よりも地域の地質分布の影響をより大きく示している。森本断層および野町断層については断層構造に起因する可能性のある重力異常および重力異常値の勾配分布が見られるが、富樫断層については重力異常からは断層構造の特徴は比較的不明瞭であった。 密度差が600kg/m3の2層密度構造を仮定した3次元インバージョン解析の結果からは、金沢平野中心部の低重力異常域における基盤深度として1500~2000mが推定される。密度境界深度の等深線は森本断層付近では比較的走向に沿った向きを示すが、富樫断層周辺では等深線は断層の走向にあまり沿っておらず、富樫断層の断層変位による基盤深度の変化が小さいことを反映していると考えられる。
本発表では、これまでに得られた重力異常分布と断層帯周辺での推定密度構造についての解析結果について報告する。
本研究は、文部科学省「森本・富樫断層帯における重点的な調査観測」の一環として実施している。重力データとしてYamamoto et al. (2011)、産業総合技術研究所地質調査総合センター (2013)を使用した。
2022年度から実施されている「森本・富樫断層帯における重点的な調査観測」の一環として、我々は断層帯周辺地域で重力測定を実施している。そして最新のDEMデータを合わせて用いることによって、高精度の重力異常データを得るとともに、重力異常データを用いた断層構造の推定等を行うことを目的とする。
2022年度から2024年8月までに森本・富樫断層帯周辺域に該当する金沢平野および断層帯東側の丘陵部にて新規に989点の重力測定を行ってきた。既存測定データを含めた重力測定データは、断層帯西部の平野において断層から距離5km以内の範囲のほとんどで1km2あたり2点以上の測定点が設置され、断層帯東部の丘陵地についても測定可能な地域では同様の測定点密度が得られている。
重力異常分布の特徴としては、金沢平野は低重力異常を示しており、その低重力異常域を横切るように森本・富樫断層帯の地表部が分布しているが、重力異常分布は断層帯の分布よりも地域の地質分布の影響をより大きく示している。森本断層および野町断層については断層構造に起因する可能性のある重力異常および重力異常値の勾配分布が見られるが、富樫断層については重力異常からは断層構造の特徴は比較的不明瞭であった。 密度差が600kg/m3の2層密度構造を仮定した3次元インバージョン解析の結果からは、金沢平野中心部の低重力異常域における基盤深度として1500~2000mが推定される。密度境界深度の等深線は森本断層付近では比較的走向に沿った向きを示すが、富樫断層周辺では等深線は断層の走向にあまり沿っておらず、富樫断層の断層変位による基盤深度の変化が小さいことを反映していると考えられる。
本発表では、これまでに得られた重力異常分布と断層帯周辺での推定密度構造についての解析結果について報告する。
本研究は、文部科学省「森本・富樫断層帯における重点的な調査観測」の一環として実施している。重力データとしてYamamoto et al. (2011)、産業総合技術研究所地質調査総合センター (2013)を使用した。