The 2024 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Poster session (Oct. 22nd)

Special session » S22. The 2024 Noto Peninsula Earthquake

[S22P] PM-P

Tue. Oct 22, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S22P-16] Survey of Building Damage Caused by Tsunami and Strong Ground Motions of the 2024 Noto Peninsula Earthquake

*Yoshiaki HISADA1, Ayaka Katano2, Masahiro Murakami1 (1. Kogakuin University, School of Architecture, 2. Kogakuin University, Graduate School)

令和6年能登半島地震で強震動と津波、火災による甚大な被害を受けた石川県珠洲市の春日野・鵜飼地区の沿岸地域において、2024年4月5日と6日に289棟の建物の被害調査を行った。対象は建築基準法を満たしていると考えられる人が居住・使用している建物(店舗や店舗併用住宅も対象)で、倉庫は対象外とした。調査シートを用いた外観調査であり、主な項目は建築年、用途、構造種別、階数、被害程度、生存空間の有無、被害の主な要因(津波、地震動、火災、その他)である。可能な範囲で住民へのヒアリングも行い築年などを確認した。建物の位置や被災前の状況は、後日、Googleストリートビューや報道機関、空撮やドローン映像、ドライブレコーダーの映像等から裏付けの確認を行った。対象地域では震度6強から7相当の非常に強い揺れの後に、沿岸部では最大で3mを超える津波の影響を受けている。289棟の調査建物のうち、272棟(94%)は木造建築であり、1981年の旧耐震基準相当と思われる建物は133棟(46%)、1981年の新耐震耐震基準相当が133棟(46%)、2000年の最新耐震規準相当が18棟(6.2%)、その他・不明が5棟(1.7%)であった。従来の津波被害調査では旧耐震の木造建物主な対象と考えられ、一般には津波の浸水高が2mを超えると倒壊・流出を生じるとされているが、1981年、さらには2000年に木造建物の耐震性能は大きく向上しており、耐津波性能も向上していると考えられる。実際、流出・倒壊した建物のうち、旧耐震基準相当では50.4%(67棟)、新耐震耐震基準相当では21.8%(29棟)、最新耐震規準相当では0または5.7%(0か1棟)であった(最新規準の1棟は流失しており、用途・築年の判定が困難)。新しいほど強震動だけでなく、耐津波性能も大きく向上している。最大で3m程度の津波であれば、2000年基準の木造建物であれば残存し、2階以上では生存空間が確保できることが明らかとなった。詳細は当日発表する。