9:00 AM - 9:15 AM
[S23-01] The earthquake in the Hyuganada Sea on August 8, 2024 -Seismic Activity and Nankai Trough Earthquake Extra Information issued by the JMA-
2024年8月8日16時42分に日向灘でM7.1の地震(最大震度6弱)が発生し、宮崎県日南市で震度6弱を観測したほか、東海地方から奄美群島にかけて震度5強~1を観測した。また、宮崎県南部山沿いで長周期地震動階級3を観測したほか、鳥取県西部及び九州・奄美地方で長周期地震動階級2~1を観測した。気象庁はこの地震に対して、最初の地震波の検知から5.7 秒後の16時43分9.4秒に緊急地震速報(警報)を発表し、緊急地震速報の震源を用いて16時44分に高知県及び宮崎県に津波注意報を発表した。その後、16時52分に愛媛県宇和海沿岸、大分県豊後水道沿岸、鹿児島県東部及び種子島・屋久島地方にも津波注意報を発表した(同日22時00分までに全て解除)。この地震により、宮崎港で0.5m(速報値)の津波を観測するなど、和歌山県から種子島にかけて津波を観測した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した。この地震の震源付近では、8月9日04時23分にM5.3(最大震度3)の地震が発生するなど、8月8日から8月31日までに震度1以上を観測した地震が25回(震度6弱:1回、震度3:3回、震度2:5回、震度1:16回)発生した。また、この付近の最近約30年間の活動をみると、1996年10月19日にM6.9の地震(最大震度5弱)、同年12月3日にM6.7の地震(最大震度5弱)が発生している。気象庁ではM7.1の地震の発生直後から1週間後まで、地震調査委員会(2016)が平成 28 年(2016 年)熊本地震を踏まえて取りまとめた「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」に従って、この地震に対する地震活動の見通しやそれに基づく防災上の留意事項を随時発表した。また、気象庁では中央防災会議(2019)の「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」に基づいて事前に定めた手順に従い、M7.1の地震の約50分後から「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を臨時に開催し、この地震と南海トラフ地震との関連性について検討した結果、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられたことから、8月8日19時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表した。気象庁は、その後も同検討会の会長、委員及び関係機関と連携のうえ、南海トラフ地震想定震源域付近の地殻活動を監視しつつ、地殻活動の状況等については9月定例の「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」(9月6日)までの間、随時、南海トラフ地震関連解説情報や報道発表資料等でお知らせした。また、南海トラフ地震臨時情報を踏まえた防災対応についても、内閣府と連携して周知に努めた。