[S23P-11] Real-time Disaster Prevention Warnings for Nankai Trough Megathrust Earthquakes and Tsunamis Using Physical Wavelets
要旨
内閣府防災課や評価委員会は、東北沖巨大地震と津波の予測失敗の原因を十分に解明しないまま、従来の統計的手法を用いた南海トラフ巨大地震のシナリオを策定した。これに基づき、2024年8月8日の日向灘地震(M7.1)後、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表したが、このシナリオの科学的検証は不十分で、地域社会に経済的損失を与えた。例えば、松山道後温泉旅館の宿泊キャンセルが相次ぎ、経営に大損害を与えた。このような損害防止のため、科学的根拠のある新たな決定論的予測技術を多分野から取り込む必要がある。
2011年東北巨大地震や2024年能登半島地震の予測と地震防災警報発令も可能とした物理的ウェーブレット(PW)を用い、台風防災警報と類似した巨大地震・津波防災警報の確立された技術を紹介する[1-5]。
気象庁は台風発生と進路予測を行い、1~2週間前から警報を発令する。これと同様に、PWを用いることで、巨大地震や津波の生成プロセスを長期的に監視し、1~3ヶ月前からリアルタイムの防災警報を発令することが可能となる。
PWは、1980年代後半から、地震学と無縁な産業分野の異常予知診断と異常によるシステム破壊防止目的に開発、実用化したリアルタイム異常予知診断・破壊防止システム装置の頭脳である。異常予知診断時、ノイズだらけの信号から微弱な予兆を抽出し、その予兆に物理法則を与える。従って、物理情報を取り入れた機械学習(PIML)にも組み込み可能で、あらゆる自然災害の生成過程の物理法則を明確にし、防災警報発令の強力な支えとなる[5]。
決定論的物理モデル
安芸敬一氏は、2004 年 10 月にスペインで開催された、古い観測所の 100 周年を記念した国際会議で、大地震予測において統計的手法だけでなく、決定論的モデルが必要であると強調した。彼は、地殻変動の延性部分からの微弱な信号を捉えることが、正確な大地震予測と災害軽減に不可欠であると指摘した[2]。
物理的ウェーブレット(PW)
PWは、地殻変動の延性部分からの微弱な信号を捉えることができ、日本の地震計とGPSネットワークで収集した時系列データに存在する巨大地震や大地震の生成過程に明確な物理法則を与えてきた強力な数学演算子である[1-5]。
例えば、地震活動を時系列データに変換するとランダムに変化するが、PWは、最大3か月先までの大地震の位置、サイズ、断層の動き、発生日を物理法則で予測できる[2,3]。
PWは、GPS観測における環境ノイズだらけの地殻変動時系列データからも大地震、巨大地震の発生と津波の生成過程を、発生2~3ヶ月前から予測し、最大、発生3ヶ月先までの日々の津波災害警報発令を可能とする[1-5]。
地震観測網で検出された各地震イベントには、震源 (緯度 LAT、経度 LON、深さ DEP)、発生時刻 (イベント時刻)、マグニチュード MAG のプロパティがある。連続するイベントの時刻の間隔は、イベント間隔 (INT) となる。座標軸 c = LAT、LON、DEP、INT、MAG の 空間では、イベントを単位質量の仮想地震粒子とみなすと、次のイベントで、地震粒子は新しい場所に移動する。その動きはブラウン運動の様になり、時間履歴を {c}={d (c, 1), ., d (c, m), . } で表示すると、d(c, m) は時間 m における粒子の位置、時間は、時系列イベント インデックス m となる。d(c, m) は確率的だが、その位置情報は領域の主応力の3成分を含み、MAG ≥ Mc (Mc ≈ 3.5) のイベントを選択すると、主応力に付随する確率的ノイズ レベルが約 15 ~25% に低下する[2]。 PW と {c} の相互相関により、時間 τ でのノイズゼロの変位 D (c, τ) と加速度 A(c, τ) を定義できる。すると、地震活動は周期方程式 A(c, τ) = −K(c)×D (c, τ) で表せ、K(c) はインデックス時間 τ に弱く依存する正の定数となる。
A(c, τ) は、大地震や巨大地震の生成プロセスを明らかにできるので、正確な発生日を予測できる歪みエネルギーの密度 サイクルと共に利用し、大地震や巨大地震発生日を予知できる[1-5]。
PW は、GPS ステーションで観測された環境ノイズだらけの変位 {c}={d (c, 0), ., d (c, j), .} から、巨大地震と津波の物理法則に基づく生成過程を検出できる。d (c, j) は時刻 j (日数)における日々の変位で、座標軸は c = (E, N, h) で、E (東向き)、N (北向き)、h (上向き)となる[1]。
結論
物理的ウェーブレットによる予測は、従来の統計的手法では不可能である地震活動と地殻変動に出現する微弱な決定論的巨大地震の生成プロセスをリアルタイムで捉える事ができ、物理法則に基づいた巨大地震・津波防災警報の発令を可能にする。これにより、社会的混乱や経済的損失を最小限に抑え、より信頼性の高い防災対策を提供する。
参考文献
1. https://arxiv.org/abs/2107.02799
2. https://arxiv.org/abs/2201.02815
3. https://arxiv.org/abs/2208.09486
4. https://www.youtube.com/@Epi21Tec21
5. https://www.epi21.org https://www.tec21.jp
内閣府防災課や評価委員会は、東北沖巨大地震と津波の予測失敗の原因を十分に解明しないまま、従来の統計的手法を用いた南海トラフ巨大地震のシナリオを策定した。これに基づき、2024年8月8日の日向灘地震(M7.1)後、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表したが、このシナリオの科学的検証は不十分で、地域社会に経済的損失を与えた。例えば、松山道後温泉旅館の宿泊キャンセルが相次ぎ、経営に大損害を与えた。このような損害防止のため、科学的根拠のある新たな決定論的予測技術を多分野から取り込む必要がある。
2011年東北巨大地震や2024年能登半島地震の予測と地震防災警報発令も可能とした物理的ウェーブレット(PW)を用い、台風防災警報と類似した巨大地震・津波防災警報の確立された技術を紹介する[1-5]。
気象庁は台風発生と進路予測を行い、1~2週間前から警報を発令する。これと同様に、PWを用いることで、巨大地震や津波の生成プロセスを長期的に監視し、1~3ヶ月前からリアルタイムの防災警報を発令することが可能となる。
PWは、1980年代後半から、地震学と無縁な産業分野の異常予知診断と異常によるシステム破壊防止目的に開発、実用化したリアルタイム異常予知診断・破壊防止システム装置の頭脳である。異常予知診断時、ノイズだらけの信号から微弱な予兆を抽出し、その予兆に物理法則を与える。従って、物理情報を取り入れた機械学習(PIML)にも組み込み可能で、あらゆる自然災害の生成過程の物理法則を明確にし、防災警報発令の強力な支えとなる[5]。
決定論的物理モデル
安芸敬一氏は、2004 年 10 月にスペインで開催された、古い観測所の 100 周年を記念した国際会議で、大地震予測において統計的手法だけでなく、決定論的モデルが必要であると強調した。彼は、地殻変動の延性部分からの微弱な信号を捉えることが、正確な大地震予測と災害軽減に不可欠であると指摘した[2]。
物理的ウェーブレット(PW)
PWは、地殻変動の延性部分からの微弱な信号を捉えることができ、日本の地震計とGPSネットワークで収集した時系列データに存在する巨大地震や大地震の生成過程に明確な物理法則を与えてきた強力な数学演算子である[1-5]。
例えば、地震活動を時系列データに変換するとランダムに変化するが、PWは、最大3か月先までの大地震の位置、サイズ、断層の動き、発生日を物理法則で予測できる[2,3]。
PWは、GPS観測における環境ノイズだらけの地殻変動時系列データからも大地震、巨大地震の発生と津波の生成過程を、発生2~3ヶ月前から予測し、最大、発生3ヶ月先までの日々の津波災害警報発令を可能とする[1-5]。
地震観測網で検出された各地震イベントには、震源 (緯度 LAT、経度 LON、深さ DEP)、発生時刻 (イベント時刻)、マグニチュード MAG のプロパティがある。連続するイベントの時刻の間隔は、イベント間隔 (INT) となる。座標軸 c = LAT、LON、DEP、INT、MAG の 空間では、イベントを単位質量の仮想地震粒子とみなすと、次のイベントで、地震粒子は新しい場所に移動する。その動きはブラウン運動の様になり、時間履歴を {c}={d (c, 1), ., d (c, m), . } で表示すると、d(c, m) は時間 m における粒子の位置、時間は、時系列イベント インデックス m となる。d(c, m) は確率的だが、その位置情報は領域の主応力の3成分を含み、MAG ≥ Mc (Mc ≈ 3.5) のイベントを選択すると、主応力に付随する確率的ノイズ レベルが約 15 ~25% に低下する[2]。 PW と {c} の相互相関により、時間 τ でのノイズゼロの変位 D (c, τ) と加速度 A(c, τ) を定義できる。すると、地震活動は周期方程式 A(c, τ) = −K(c)×D (c, τ) で表せ、K(c) はインデックス時間 τ に弱く依存する正の定数となる。
A(c, τ) は、大地震や巨大地震の生成プロセスを明らかにできるので、正確な発生日を予測できる歪みエネルギーの密度 サイクルと共に利用し、大地震や巨大地震発生日を予知できる[1-5]。
PW は、GPS ステーションで観測された環境ノイズだらけの変位 {c}={d (c, 0), ., d (c, j), .} から、巨大地震と津波の物理法則に基づく生成過程を検出できる。d (c, j) は時刻 j (日数)における日々の変位で、座標軸は c = (E, N, h) で、E (東向き)、N (北向き)、h (上向き)となる[1]。
結論
物理的ウェーブレットによる予測は、従来の統計的手法では不可能である地震活動と地殻変動に出現する微弱な決定論的巨大地震の生成プロセスをリアルタイムで捉える事ができ、物理法則に基づいた巨大地震・津波防災警報の発令を可能にする。これにより、社会的混乱や経済的損失を最小限に抑え、より信頼性の高い防災対策を提供する。
参考文献
1. https://arxiv.org/abs/2107.02799
2. https://arxiv.org/abs/2201.02815
3. https://arxiv.org/abs/2208.09486
4. https://www.youtube.com/@Epi21Tec21
5. https://www.epi21.org https://www.tec21.jp