[P1-24] コロナ禍における人流変化と飲食店増減のパラドックス
キーワード:COVID-19, 人流データ, 飲食店の立地, 経済地理学, 固定効果モデル
本研究では、COVID-19の流行前後で飲食店の立地がどのように変化したのか、またその変化の要因を分析する。対象地域は東京都、空間単位は500mメッシュ、対象期間は2019年から2022年とする。まず、Global Moran’s IおよびLocal Moran’s Iを計算し、人流と飲食店の減少率の高い(低い)空間クラスターおよび空間外れ値を特定した。その結果、空間クラスターが発生していたが、人流減少地域と飲食店減少地域の空間クラスターが、必ずしも一致していないことがわかった。次に、固定効果モデルを用いて、人流と飲食店の関連性を分析した。その結果、人流と飲食店の店舗数には負の相関が見られ、人流が減少した地域ほど、却って飲食店が増加したというパラドックスが生じていた。さらに、この負の相関は、東京23区内に比べ、23区外の地域でより顕著に表れていた。なぜ、このようなパラドックスが生じたのか考察する。