第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

シンポジウム

[SY2] 特定行為関連看護師のタスクシフティング・タスクシェアリング -働き方はどう変わったか-

2022年6月11日(土) 11:30 〜 12:50 第9会場 (総合展示場 F展示場)

座長:溝口 裕美(一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院)
   塚原 大輔(株式会社キュアメド)
演者:西村 基記(国立病院機構 北海道医療センター)
   畑 貴美子(横須賀市立うわまち病院)
   後小路 隆(社会医療法人陽明会 小波瀬病院)

12:25 〜 12:50

[SY2-03] 救急医療の現場での診療看護師の意義を見出す

○後小路 隆1 (1. 社会医療法人陽明会 小波瀬病院)

キーワード:診療看護師、救急外来、タスクシフティング・タスクシェア

日本 NP教育大学院協議会では、診療看護師は、患者のQOL 向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師と定めている。 現在、救急外来を中心に初期対応、診療の補助的に医行為の実施や救急看護師とともに看護実践や診療の補助を行い、教育的立場も担っている。その他、救急科を含めた医師からの依頼を受け、入院中の患者さんのPICCの挿入や気菅切開チューブや胃瘻交換など組織横断的にも活動している。 単純に医行為を実施する、医師の業務の一部を担うことだけが、診療看護師の役割ではなく、医師、薬剤師等の多職種と連携・協働を図り,一定レベルの診療を自律的に遂行する。また、患者の「症状マネジメント」を効果的、効率的、タイムリーに実施することにより患者の QOLの向上を図り、個々の患者の症状に対応した「症状マネジメント」を タイムリーに実施していくことにより疾病の重症化等を防止し、患者の QOL の向上を図ることが役割であると考えている。 「多職種との連携・協働」は診療看護師だけが行うものではなく、患者に関わるすべての職種が実施すべきことであり、患者の多様な問題に対して、医療に従事する多種多様なコメディカルが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供することが求められている。その中で、救急医療に従事する診療看護師は、患者さんにとってどのような役割が求められ、どんなアプローチが求められるか、未だ明確なものはなく、救急医療の現場で、診療看護師の役割と立場を明確にしていく必要がある。看護師としてファンダメンタルな部分は、救急医療で働く看護師と同様であるが、診療看護師としての独自の役割を明確化していくことが救急医療で働く意義を見出すことになると考えている。
今回、救急医療の実臨床の中で、診療看護師が働くことによってどのように現場が変化したのか、その変化がチーム医療を円滑に進める「連携・協働」となるのか、臨床の中で得た知見について発表したいと考えている。そのうえで、参加者の皆様と救急医療における診療看護師の意義について意見交換をいただき、今後の救急医療における診療看護師として活動のヒントになるような知見を得たいと考えている。