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[SY7-03] 認定看護管理者として、クリティカル領域で働く看護師に期待する事と、優れた人材育成のための取り組み
キーワード:クリティカルケア領域の人材育成
自施設では、1996年よりクリニカルラダーを導入、その後、2008年、自施設独自の役割モデルとなる「小倉記念院内専門看護師」循環器・脳神経外科・がんの3コースを開始した。「基礎コース」は、共通基礎科目として、人間理解、リーダーシップ、看護研究、専門看護師活動、フィジカルアセスメントの5つの柱を32時間かけ、3コース共通で学習した。その後「専門コース」に分かれ、専門基礎科目(20時間)と専門科目(40時間)を、各分野特有の疾患などに関する講義、「演習・実習」を実施した。その後、救急看護コースを追加し、18名の小倉記念院内専門看護師が誕生した。 2022年現在、急性・重症患者看護専門看護師2名・集中ケア看護認定看護師26名が各分野で活躍している。その中には、「小倉記念院内専門看護師」を取得した者もいる。クリティカル領域では、専門看護師2名、認定看護師1名が在籍しており、集中治療室を中心に組織横断的に活動している。以下に、クリティカル領域で働く看護師に期待する事と、優れた人材育成のための取り組みについて、述べる。 クリティカルケア看護とは、生命の危機的状態(クリティカル期)にある重症患者に対して行われるケアを行うことを指す。クリティカル領域で働く看護師に期待することは、3つある。 まず、1つ目は、認定看護管理者としては、診療報酬との関連である。令和4年度の診療報酬改定では、看護師の処遇改善があげられ、急性期充実加算において「院内迅速対応チーム」の設置が要件に加わった。自施設では、以前よりコードブルーの前のRRTの必要性をクリティカル領域で働く看護師から提案を受けており、早急な対応ができた。 2つ目は、人材育成である。特に、機会教育(OJT)において、各部署で急変時の対応シミュレーションを実施しているが、その際アドバイザーとして参加して、一度実際に動画撮影を行いながら実施、その後リフレクションをスタッフと共に行い、再度実施するという各部署の主体性を重視したものになっている。又、今回RRTにおいても、当院の弱い部分である呼吸の観察においては、各部署に出向き、OJTを実施した。 3つ目は、タスクシフトである。これまでは、重症な心臓外科の手術後は、医師がベッドサイドに付きっ切りとなっていた現状があったが、クリティカル領域で働く看護師の特定行為の取得により、呼吸器の管理、抜管、ドレーン抜去、血ガスの採取など、医師とのタスクシフトにも寄与している。
最後に、そうした優れた人材育成のための取り組みとして、上記に記載したように、クリニカルラダーというシステムだけでなく、組織の中に様々な場を生み出し、その場を機能させる。人々が対話を通じて学び合い、各部署を実践共同体として捉え、メンバー間でのやり取りの中で、情報を共有し活性化させる。自施設は、急性期病院であり、各チーム活動が活発で、カンファレンスが盛んに実施されている。その中で、クリティカル領域の看護師の発言やアドバイスは、カンファレンスを人材育成の場と変え、多くの気づきをスタッフに与えている。忙しい急性期病院では、仕事の現場でいかに学ばせるか、学習環境のデザインをする中でクリティカル領域の看護師は、重要なキーマンとなり、次の世代への継承となっていると考える。
参考図書 伊丹敬之(1999)「場のマネジメント 経営の新パラダイム」NTT出版
最後に、そうした優れた人材育成のための取り組みとして、上記に記載したように、クリニカルラダーというシステムだけでなく、組織の中に様々な場を生み出し、その場を機能させる。人々が対話を通じて学び合い、各部署を実践共同体として捉え、メンバー間でのやり取りの中で、情報を共有し活性化させる。自施設は、急性期病院であり、各チーム活動が活発で、カンファレンスが盛んに実施されている。その中で、クリティカル領域の看護師の発言やアドバイスは、カンファレンスを人材育成の場と変え、多くの気づきをスタッフに与えている。忙しい急性期病院では、仕事の現場でいかに学ばせるか、学習環境のデザインをする中でクリティカル領域の看護師は、重要なキーマンとなり、次の世代への継承となっていると考える。
参考図書 伊丹敬之(1999)「場のマネジメント 経営の新パラダイム」NTT出版