[P1-3-22] ヒト歯肉上皮細胞のIL-8産生にメカニカルストレスがおよぼす影響について
キーワード：ヒト歯肉上皮細胞、IL-8、メカニカルストレス
【目的】 咬合性外傷では歯に過剰な力が加わることで歯の動揺や炎症などが惹起する。この際、歯に加わる力はメカニカルストレスとして歯根膜を介して歯槽骨だけでなく歯周組織にも加わる。今回、ヒト歯肉上皮細胞のIL-8産生に対するメカニカルストレスの影響について検討した。 【試料および方法】 ヒト歯肉上皮系細胞であるCa9-22細胞( 2.25× 105) をTypeⅣコラーゲンコート処理した2.25cm²のシリコンチャンバー（縦1.5cm、横1.5cm、深さ1cm）に播種。FBS (1% or 10 %) 存在下にて培養し、伸展装置（C S-1700:ストレックス社製）を用いてシリコンチャンバーに20％の伸展率にてメカニカルストレスを加えた。伸展刺激時間は10分、50分および70分を１日１回、5日間負荷して培養したものを実験群、伸展力を負荷せずに同一の培養器にシリコンチャンバーを静置して培養した細胞を対照群とした。刺激開始４日後と６日後にサンプルを回収し、培地中に放出されるIL-8量をELISA にて定量した。また、定量 PCR によりIL-8 mRNA 量の変化についても測定した｡ 【結果および考察】 Day4とDay6共に対照群においてもIL-8の産生が確認された。Day4においては10分、50分および70分群共に対照群と比べてIL-8の産生量に著明な差は認められなかった。またIL-8の mRNA 量においても対照群と比べて著明な差は認められなかった。Day6においては10分、50分および70分群は共に対照群と比べてIL-8の産生量の増加が認めたれた。また、IL-8の mRNA 量においても対照群と比べて増加することを確認した。 【結論】 ヒト歯肉上皮系細胞であるCa9-22細胞のIL-8産生において、20％伸展率のメカニカルストレスは産生増強に関与している可能性が示唆された。