一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-7~O-10 性、ジェンダー1

座長:下村 淳子(愛知学院大学)

[O-10] 月経痛が女子高校生の学校生活に与える支障

梶谷 さとこ1, 岡崎 愉加2, 山下 亜矢子3, 原 直美4, 妹尾 奈月5 (1.岡山県立玉島高等学校, 2.岡山県立大学保健福祉学部看護学科, 3.鹿児島大学医学部保健学科, 4.関西福祉大学看護学部看護学科, 5.就実高等学校)

キーワード:月経痛、女子高校生、学校生活

【目的】本研究の目的は、月経痛が女子高校生の学校生活に与える支障を明らかにし、月経痛に関する健康教育教材作成のための示唆を得ることである。【方法】2021年8~10月、A県の女子高校生961人を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は、基本属性、生活習慣、ストレス自覚、月経の有無、月経痛の頻度と程度、月経痛対策、月経観、月経による学校生活への支障等である。分析にはχ2検定、Kruskal-Wallis検定を用いた。本研究は岡山県立大学倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】有効回答は707人(73.5%)であった。月経痛あり90.1%、月経を嫌だと思う42.9%、面倒だと思う72.3%であった。月経による試験への支障あり40.9%、運動部活動の成果への支障あり41.9%、文化部活動の成果への支障あり16.8%、授業や学校行事等の普段の学校生活への支障あり57.6%であった。試験や運動部活動・文化部活動の成果への支障と有意差を認めた項目は月経痛の程度であり、普段の学校生活への支障と有意差を認めた項目はストレス自覚と月経痛の程度であった。試験、部活動の成果、普段の学校生活のいずれも支障がある者は月経痛が強い傾向がみられた。【結論】女子高校生の9割に月経痛があり、月経痛は、試験・部活動・普段の学校生活への支障に関連していた。月経痛に関する健康教育教材には、月経痛の正しい対処方法に加え、月経痛が女子高校生の学校生活に支障を与えている現状を教員や保護者に周知する内容も必要であることが示唆された。