一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-56~O-61 発育・発達、体力・体格

座長:上地 勝(茨城大学)

[O-61] 学校保健統計値を用いた1980年代と2010年代の発育標準曲線の推計2004年の発育標準値との比較

國土 将平1, 佐野 孝2, 長野 崇4, 上田 恵子3, 保田 和奏2 (1.中京大学 スポーツ科学部, 2.神戸大学大学院 人間発達環境学研究科, 3.畿央大学 教育学部, 4.大阪国際大学 人間科学部)

キーワード:発育標準曲線、学校保健統計、LMS法

【目的】日本人の発育について、学校保健統計は1900年より今日までの子どもの身長発育の平均値の推移は示されるものの、高身長や低身長の発育についてはその変化を明らかにした研究は希少である。本研究では1980年代、2010年代に18歳となった子どもの発育標準曲線を学校保健統計値を用いて推計するとともに、2004年の発育標準値(加藤ら)と比較し、その特徴を検討することを目的とした。【方法】1980年代は高身長化の時期であるため、1980-90年に18歳であった対象者の12年間のコーホトデータを1968-90年までの学校保健統計を用いて算出した。なお、分布の統計値は1977-90年まで公開されているが、1977-82年は実数、1983年以降は1000人比で公開されている。従って、1983年以降の資料については人口動態統計から求められた人口を掛け合わせ実数に変換した。それ以前の資料については年齢別の平均値・標準偏差(未公開の場合には推計値を含む)ならびに当該年の人口より正規分布を仮定した度数分布を推計した。2010年以降は発育の時代差が少ないため、10年間の横断的資料を用いた。これらの1980年代、2010年代の10年間の分布をそれぞれプールしてLMS法(Cole,1990)にて発育期の発育標準曲線を推計した。【結果】1980年代の発育標準曲線は2004年2010年以降と比較して、発育曲線が右方すなわち成長が遅いことが確認できた。2010年代を2004年と比較すると、50%値では合致するものの、高身長ならびに低身長では発育曲線が右方に位置することが確認できた。