一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P1~P6 新型コロナウイルス感染症1

座長:羽賀 將衛(北海道教育大学)

[P-4] コロナ禍に入学した短大生の精神的健康―卒業までの縦断的変化―

山本 ちか (名古屋文理大学短期大学部)

キーワード:精神的健康、縦断的変化、コロナ禍

【目的】本研究では,コロナ禍に入学した短期大学生を対象に精神的健康の変化を検討することを目的とした。精神的健康状態を測定する尺度の1つであるKessler10(K10)を用いて,入学当初,1年終了時,卒業時の3時点で調査を行い,入学から卒業までの2年間の精神的健康の縦断的変化を検討した。【方法】調査は短期大学生に実施した。調査実施時期は,入学時(2020年6月), 1年終了時(2021年2月),卒業時(2022年2月)の3回であった。調査協力者は,入学時98名,1年終了時87名,卒業時85名であった。精神的健康度を測定する尺度としてKessler10(K10)を用いた。短大生活への不安の有無,短大生活の充実度もたずねた。【結果および考察】入学当初から卒業までK10の合計点に時点間差はみられず,2年間で精神的健康状態に変化はみられなかったといえる。精神的健康の変化のパターンについて,最も多かったのは「一貫して精神的に健康であった群」で,45名(57.7%)であった。入学時に学生生活に不安があると回答していたのは32名であった。不安の具体的内容は「授業についていけるか」といった学業面についての記述が最も多かった。「友だちがつくれるか」といった対人関係に関する記述もみられた(7名)。コロナ禍と関連した不安についての記述はみられなかった。また3時点全てにおいて精神的に健康でなかった学生も多くは卒業時に短大生活を充実していたと感じており,コロナ禍においても学生生活に充実感をもち卒業に至ることができる可能性が考えられた。