一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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P56~P61 メンタルヘルス2

座長:渡邉 正樹(東京学芸大学)

[P-58] 中学1年生における欠席の関連要因の探索 ―地方都市国立大学附属中学校における縦断調査のベースラインデータから―

長野 真弓1, 足立 稔2 (1.福岡女子大学 国際文理学部 食・健康学科, 2.岡山大学大学院 教育学研究科)

キーワード:欠席日数、ゲーム、メンタルヘルス

【目的】
本研究では、地方国立大学附属中学校において実施した縦断調査のベースラインデータを用いて、中学1年生時の欠席と関連する因子を、生活習慣・行動特性・心理的特性を含め探索した。
【方法】
本研究は、新型コロナ感染症の感染拡大前に完了した観察研究である。解析対象は、1年生時の性別および欠席のデータが揃う556名(男子280名, 女子276名)であった。入学2か月後の体力・体格測定と同時期に、アンケートで生活習慣(睡眠、朝食摂取)、放課後の行動特性(部活動参加状況、テレビ視聴時間、ゲーム時間、学習塾・家庭教師の時間、自習時間)、主観的成績、心理社会的特性を調査した。年間欠席日数は、年度終了後に提供された。欠席日数の分布の上位25%(欠席2日以上)の群の特性を確認後、欠席2日以上を従属変数、前述の解析で有意差を認めた項目とPSI全項目を独立変数として投入したロジスティック回帰モデルを用い、関連要因を検討した。
【結果】
年間欠席30日以上(不登校の定義)の有無で区分した2群間比較では、いずれの項目にも有意差は認められなかった。関連要因を投入したロジスティック回帰分析の結果、欠席30日以上を含む2日以上の欠席には、性(女子)、ゲーム時間(長)、自習時間(短)、抑うつ・不安症状判定(問題あり)の有意なオッズ比が得られた。
【結論】
女子であること、入学後2か月時点でゲーム時間が長いこと、自習時間が短いこと、抑うつ・不安症状を保有していることは、当該年度の2日以上の欠席を予測していた。