日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-20_38] 一般演題(ポスター発表)<繁殖・生殖工学>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-37] 種々のウシ遺伝子群を応用したウシiPS細胞樹立の試み

鈴木 崇浩, 喜多 悠斗, 佐藤 卓, 桜岡 みづき, 小林 正之 (秋田県大院生物資源)

【目的】ウシ遺伝資源を育種素材として活用することを目指して,iPS細胞の樹立研究に着手した.本研究では,ウシ6転写因子を同時に発現するベクターを構築し,種々のウシ遺伝子群を組み合わせてウシiPS細胞の樹立を試みた.【方法】ウシ6転写因子(OCT4,SOX2,KLF4,NANOG,LIN28,c-MYCまたはL-MYC)を同時に発現する単一のベクターを構築した.構築したベクターの機能を検証するため,マウス胎仔線維芽細胞由来E6/E7-MEF細胞に遺伝子導入し,マウスiPS細胞を誘導できるか検証した.また,初代ウシ線維芽細胞に遺伝子導入してウシiPS細胞を誘導できるか試みた.【結果】ウシ6転写因子発現ベクターを導入したE6/E7-MEF細胞において,マウスiPS細胞に特徴的なアルカリフォスファターゼ活性を示す,ドーム状コロニーが形成された.そこでL-MYCを含むウシ6転写因子発現ベクターを初代ウシ線維芽細胞に遺伝子導入したが,iPS様細胞コロニーは得られなかった.一方,c-MYCを含むウシ6転写因子発現ベクターと7種の遺伝子(H1FOOAICDATERTp53DD,Antisense MBD3GLIS1DPPA3 )を同時に導入した場合,ベクター由来の蛍光タンパク質を発現する,iPS細胞に特徴的なドーム状のコロニーが形成された.