日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-10_12] 遺伝・育種(VI-午前)

2019年3月29日(金) 10:30 〜 11:00 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:阿部 隼人(北酪検)

10:30 〜 10:40

[VI29-10] ホルスタイン種の暑熱ストレスにおけるしきい値の地域差に関する検討

泉 慶一郎1, 高木 文及1, 大澤 剛史2, 山崎 武志3, 萩谷 功一1 (1.帯畜大畜産, 2.家畜改良セ, 3.農研機構北農研)

【目的】国内ホルスタイン種の泌乳形質に対する暑熱ストレス(HS)のしきい値の地域差を調査した.【方法】データは,家畜改良センターが遺伝的能力評価用に編集した2011年から2015年に分娩した国内ホルスタイン種の初産次の分娩後6日から305日の5,757,320の牛群検定記録である.気象データは,気象庁または農業環境変動研究センターの2011年から2015年までの記録である.牛群検定記録は,各都府県または北海道の14箇所の振興局ごとに代表地点1箇所の気象データを割り当てた.HSの大きさは温湿度指数(THI)で表した.2011年から2015年までの各地点の8月の平均THIから全国を5つの暑熱グループ (グループ1:THI<67(釧路,根室),グループ2:THI=67(宗谷,網走),グループ3:68≦THI<73(グループ1と2を除く北海道全域),グループ4:73≦THI<78(東北,北関東,甲信越を含む13県),グループ5:78≦THI(グループ4を除く33都府県))に区分した.数学モデルは,母数効果として牛群・検定年,検定月(12区分),月齢グループ(12区分),搾乳日数(300区分)およびTHI(81区分)を含めた.【結果】HSのしきい値は,乳量THI63前後,乳脂量と乳タンパク量THI55前後,体細胞スコアTHI57前後であった.HSのしきい値間に明確な地域差は認められなかった.