日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用1

2021年9月15日(水) 08:50 〜 12:00 畜産物利用 (オンライン)

座長:水野谷 航(麻布大獣)、有原 圭三(北里大獣医)、小宮 佑介(北里大獣医)、下里 剛士(信州大)、荒川 健佑(岡山大院環境生命)

[V-15-13] 野生シカ糞便からの発酵乳スターター好適乳酸菌の分離と選抜

*哈 斯其木格1、福島 渉1、黒岡 紗季2、坂本 夏帆2、安藤 悠佳2、安達 魁人2、大森 遥2、野崎 颯馬1、細川 美伊2、加藤 歩実2、曽根 純人2、田中 梨奈2、趙 俊良1、森田 英利1,2、荒川 健佑1,2 (1. 岡山大院環境生命、2. 岡山大農)

【目的】機能性ヨーグルトを中心に増加傾向だった発酵乳の消費は近年伸び悩んでいる。その要因の1つに、風味や食感の形成に重要な乳酸菌スターターの多様性欠如が挙げられる。本研究では、新たな発酵乳スターターの開発を目指し、野生シカ糞便から乳酸菌を分離・選抜することとした。【方法】シカ糞便試料から細菌分離し、45℃生育性試験、乳発酵試験(ラクトース資化性・ペプチド要求性試験)、ガス産生試験、プロテアーゼ活性試験およびアセトアルデヒド産生試験により発酵乳スターター好適乳酸菌を選抜し、菌種同定した。【結果】分離した200菌株から45℃で生育が良好だった98菌株を一次選抜した。全ての一次選抜株はグルコースないしペプチドを添加した乳培地で十分な発酵能を有し、うち1菌株を除いた97菌株はガス非産生であった。次いで、97菌株のうちペプチド要求性を示さなかった33菌株を用いてプロテアーゼ活性測定を行い、高活性を示した2菌株を最終選抜し、Streptococcus equinusおよびS. gallolyticus subsp. gallolyticusと同定した。また、97菌株全てのアセトアルデヒド産生量を調べ、高産生の2菌株を同様に最終選抜し、Lactiplantibacillus plantarum subsp. argentoratensisおよびL. plantarum subsp. plantarumと同定した。