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[I-16-16] in vitro 培養試験によるシラカンバ木質粗飼料のメタン低減効果の評価
【背景】ウシからのメタン排出が世界的な問題となっており、ウシのメタン排出を削減する飼養管理が求められている。これまでシラカンバの樹木を蒸煮処理した木質粗飼料が、慣行飼料とは異なるルーメン内細菌叢を示すことは明らかとなっていたが、メタン生成に影響を与えるかは明らかとなっていなかった。そこで、本研究はシラカンバ木質粗飼料がメタン低減効果を有するか調査を行った。【方法】ウシルーメン液を用いたin vitro培養試験を行った。培養基質は肥育牛の実際の給与割合をもとに、濃厚飼料と稲わらを5:1の割合とし、稲わらの半量及び全量を置き換えたものを試験区とした。嫌気培養後、ガス生成量、短鎖脂肪酸濃度を測定し、ガス組成解析および、微生物叢構成を解析した。【結果】シラカンバ木質粗飼料の割合が高くなるほどメタン生成量が減少した。また、短鎖脂肪酸の総量に差はないが、シラカンバ木質粗飼料の割合が高くなるほどプロピオン酸の割合が増加した。細菌叢解析の結果から、稲わらをシラカンバ木質粗飼料に置き換えることで細菌叢が異なることが明らかとなり、シラカンバ木質粗飼料はコハク酸からのプロピオン酸生成を促進する細菌叢へと変化させることが示唆された。以上のことからシラカンバ木質粗飼料はプロピオン酸生成を促進し、メタン排出を削減する可能性が示唆された。