日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月19日(火) 13:30 〜 14:50 第III会場 (1・2番講義室)

座長:豊後 貴嗣(岡山理科大学獣医学部)、白石 純一(日本獣医生命科学大学)、三谷 朋弘(北大FSC)

13:30 〜 13:40

[III-19-01] 生産末期の採卵鶏におけるオオシロアリ粉末添加の効果

*塚原 洋子1、西田 圭佑2、熊谷 元1、友永 省三1、広岡 博之1、松浦 健二1 (1. 京都大学大学院農学研究科、2. 西田養鶏場)

【目的】家畜飼料の新規タンパク源として昆虫の飼料利用が検討されている。本研究では、生産末期の採卵鶏の飼料にオオシロアリの乾燥粉末を添加することによる、採卵鶏の生産性、血漿成分および卵質に及ぼす影響を測定した。【方法】採卵鶏は国産のゴトウもみじ種を用い、696日令の10羽を体重、産卵率、卵重をもとに市販飼料のみの対照区と市販飼料にシロアリ粉末2.5%を添加したシロアリ区へ5羽ずつ配置し、それぞれ単飼をして12日の馴致期間後の8日間について、体重、飼料摂取量、産卵率、卵重、卵質を測定した。試験終了時に翼下静脈より採血し血漿サンプルを得た。【結果】飼料の粗タンパク質(CP)含量は、対照区18%およびシロアリ区19%であった。シロアリ区において実験終了時体重および卵黄高が対照区よりも高い傾向にあった(P=0.069および0.082)が、飼料摂取量、産卵率、卵重(卵黄および卵白重量)、飼料効率、日産卵量、卵質(卵白高、ハウユニット、卵黄色、卵黄径、卵殻強度、卵殻厚)については、試験区の効果は見られなかった。一方、飼料中のCP含量の高かったシロアリ区において、血中総タンパク質濃度は有意ではないものの高く、血中尿素窒素濃度が高い傾向(P=0.055)を示したことから、シロアリ乾燥粉末を添加したことにより生産末期の採卵鶏におけるタンパク代謝が促進され、体重増加につながったことが示唆された。