第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

脳-画像処理

脳-画像処理

2014年9月18日(木) 15:40 〜 16:30 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:北垣一(島根大学医学部 放射線医学講座)

[O-1-099] 4D-PC法に基づく脳脊髄液の拍動性動態の時空間相関の可視化

八ツ代諭1, 平山晃大2, 松前光紀2, 厚見秀樹2, 梶原直3, アフニザンファイザル アブドゥラ4 (1.東海大学大学院工学研究科 情報理工学専攻, 2.東海大学医学部 脳神経外科, 3.東海大学医学部付属病院 放射線技術科, 4.Faculty of Computer Science and Information Systems, Universiti Teknologi Malaysia, Malaysia)

【目的】頭蓋内腔における脳脊髄液(CSF)の拍動性の動きを可視化し,その特徴を抽出するために相関時間マップ法ならびに最大相関マップ法を検討した.【方法】健常者ボランティア5名(23~53歳)と水頭症患者ボランティア(74歳)を矢状面で撮像した.各ボランティアの撮像時間は約40分だった.ボランティア実験ではVENCを5~15[cm/s]に設定し, SI(頭尾),RL(左右),AP(背腹)の3方向の速度の時間変化を4D-PC法で求めた.この速度ベクトルの時空間分布の任意の領域内におけるCSFまたは血液の速度波形を参照波形とし,その参照波形とCSFの他の領域における波形が最大の相関を持つ遅延時間(相関時間)を計算し,相関時間ならびに最大相関係数をカラースケールでマップした.相関時間マップでは遅延時間の心周期に対する割合として示した.【結果】水頭症患者の相関時間マップ(左図),相関係数マップ(右図)を示す.両図における黒い四角の範囲におけるCSFのFH方向の速度の平均値を参照波形とした.【考察】本手法により,水頭症患者における参照領域からのCSF動態の伝播を静止画として示すことができた.健常者で頸部クモ膜下腔のCSFに参照領域を設定した場合には,橋前槽における高相関(R>0.7)の割合は19%であったが,患者における同領域の高相関の割合は2.7%であった.このことは患者におけるCSF動態には位置に依存した大きな違いがあることを示唆するものであった.