第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

脳・脊髄-拡散

脳・脊髄-拡散2

2014年9月18日(木) 14:48 〜 15:42 ポスター会場 (5F 通路)

座長:堀正明(順天堂大学医学部 放射線医学講座)

[P-1-080] 拡散画像法におけるEPIデータの歪み補正:FSL eddy&topupとeddy_correctの比較

菊田潤子1, 雫石崇1, 山田晴耕1, 原留弘樹1, 篠崎貴弘2, 出澤幸2, 今村佳樹2, 長野章3, 松田雅之3, 阿部修1 (1.日本大学医学部 放射線医学系画像診断学分野, 2.日本大学歯学部 口腔診断学講座, 3.日本大学医学部附属板橋病院 中央放射線部)

【目的】Functional Magnetic Resonance Imaging of the BrainSoftware Library(FSL)上で動作するツールであるeddy_correctと、eddyおよびtopupの組み合わせ(eddy&topup)でそれぞれ歪み補正を行い、その有効性を検討する。【対象と方法】対象は10人の健常者(女性7人、男性3人、年齢27~43歳、平均年齢34.0歳)。使用装置はPhilips社のAchieva 1.5T、8 channel 頭部用phased-array coilを用いた。Spin-echo EPI法でMPGを30軸に印加し(TR/TE 8100/88.66ms、ボクセルサイズ2.5 × 2.5 × 2.5 mm、b=1000s/mm2)、位相エンコード方向を前→後(AP)・後→前(PA)の2種類撮像した。得られた歪み補正なしのボリュームデータをNC30とした。その後eddy_correctを用いてtrilinear(FSL初期設定)またはspline 補間で歪み補正したものをEC30、eddy&topupで補正をしたものをET30とした。dtifitでEC30、ET30、NC30のFA(fractional anisotropy)像を作成し、TBSS(tract-based spatial statistics)を用いてFA0.2以上のボクセルを対象として50000回の並べかえ検定を実行した。NC 30 とtrilinear補間EC30でpaired t検定を行い、その後NC30とspline補間EC30、ET30とでtripled paired t検定を行った。いずれも年齢、性別は共変量とせず、FWE法による多重比較補正後P<0.05 を有意とした。【結果】視覚的評価ではNC30のAP、PA共に前頭蓋底部にアーチファクトによる信号上昇があり、trilinearやspline補間EC30では補正効果ははっきりしなかったが、ET30では補正効果が認められた。また、trilinear補間EC30における画像ぼけはspline補間で緩和された。TBSSを用いたボクセルベース解析では大部分の骨格FA値はET30、spline補間EC30、NC30、trilinear補間EC30の順に有意に低下した。【結論】FSLの歪み補正ツールeddy&topupがeddy_correctよりも有効性が高いこと、trilinear補間は補正方法として有用性が低いことが示された。