第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

B0/B調整

B0/B1調整

2014年9月19日(金) 11:12 〜 11:54 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:梅田雅宏(明治国際医療大学 医療情報学)

[P-2-121] 高磁場における試料誘起不均一磁場のシミュレーションと実験による評価

上村弥也1, 寺田康彦2, 巨瀬勝美2 (1.筑波大学数理物質科学研究科 電子・物理工学専攻, 2.筑波大学 数理物質系物理工学域)

<はじめに>
代謝物分布などを求めるために,化学シフトを分離した撮像(CSI)行う場合には,試料の形状(磁化率分布)による不均一磁場が大きな問題となる.このため高次シムによるシミングを行うが,完全に補正できるとは限らない.そこで,本研究では,試料の誘起する不均一磁場を実験と計算により求め,どの程度シムで補正されるかなどを検討した.
<方法>
長円形のNMR試料管(直径8mm,長さ20mm)を試料とし,4.7Tワイドボア縦型超伝導磁石(Oxford製)を用いたMRI装置を使用した.試料管にはグルコース水溶液(1mol/L)を入れ,この試料内の磁場分布を位相法により求めた.また,試料内の磁化率分布を一定と仮定して,試料形状から誘起される磁場分布を,フーリエ変換による方法により求めた.
<結果>
5次までの室温シムで均一化して計測した磁場分布と,均一磁場の中に試料を置いた時の磁場分布(計算値)を下の図に示す.磁場に平行な方向に,高次の静磁場の不均一性が発生している.試験管下部の実測では,それがシムである程度補正されているが,上部の水が凹んだ部分には,大きな不均一磁場が残っている.よって,実際の果実試料などで代謝物のCSIを行うには,さらに高次のシミングや,磁化率マッチングが必要であると結論した.