日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(奇数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 10:00 〜 11:00 第一体育館バスケ2 (第一体育館バスケ)

[09方-ポ-25] 体操競技における踏み込み足、ひねりの方向の決定に関する発生運動学的研究

男子大学生の初心者の事例

*神門 大輔1 (1. 星槎大学)

体操競技にはゆかや跳馬での踏み込み足やひねりの方向など左右どちらかを選択して行う技が多く存在する。選手はそれぞれの種目や技によって系統性、発展性を踏まえて検討し、左右どちらかを決定していくことになる。しかし、大学入学以降に体操を始めた選手などは試合に出られるだけの技数を早急に揃える必要があるため、系統性や発展性だけではなく、学習者自身のやりやすさなども踏まえて迅速にかつ適切に判断をしなければならない。本研究では踏み込み足やひねりの方向の決定における事例を紹介し、発生運動学の立場からその指導内容の根拠を示すことを目的とした。
本研究の対象は大学から体操競技を始めた男子大学生1名とした。指導内容や学習者とのやりとりを残したメモを資料とし、指導内容や指導現場で起きた学習者の動感変容についての考察を行う。指導者の動感志向体験を現象学的な反省分析を行うことで指導内容の根拠を示すことができる。学習者がどのような意識で動きかたを習得していったのかについては指導者の観察、交信、代行の分析の中で明らかにされる。
学習者は指導開始当初、ゆかや跳馬での踏み込み足が実施の度に左右が入れ替わり、安定していなかった。左で踏み込んだ場合、そのあとの技の実施が良かったため、安定して左で踏み込めるようになることを目標として指導を行った。学習者自身はじめはどちらの足で踏み込んでいるか理解していない状態であったが、踏み込み足だけに意識を持たせる練習を行うことで踏み込み足がわかる段階になっていった。この段階では右足で実施することもあったが、実施直後そのことを理解し、「右で踏み切って(踏み込んで)しまいました」と述べていた。その後、助走で失速しながらも左で実施しようとする段階、最終的に安定して左で実施できる段階へと移行していった。具体的な指導内容やひねりに関する考察は発表ポスターに記載する。