11:55 〜 12:09
[健康福祉-A-09] 膝前十字靭帯再建術後のアスリートの膝関節屈曲・伸展筋力(スポーツ医学)
【緒言】 膝前十字靭帯(ACL)再建術では、ドナー腱に膝蓋腱を利用する場合と半腱様筋(Semitendinosus : ST)腱を利用する場合があり、一般的に後者が選択されることが多い。ただし、ハムストリングスのひとつである ST を採取すると膝関節屈曲筋力に影響する可能性がある。一方で、再建術後の競技への復帰は患側の膝関節伸展筋力が健側の80%以上となることが目安とされている。そこで、今回われわれは競技に復帰を果たしている ACL 再建術後のアスリートを対象に膝関節屈曲筋力および伸展筋力を評価したので報告する。
【方法】ST腱を用いた ACL 再建術を受けて1年以上経過し、競技に復帰を果たしているアスリート10人(男性6名、女性4名、21~24歳)を対象とした。等速性筋力計に対象者を仰臥位で固定し、膝関節屈曲60度から120度まで10度間隔で両下肢の等尺性の膝関節伸展筋力(以下、伸展筋力)と膝関節屈曲筋力(以下、屈曲筋力)を測定し、健側と患側の筋力を比較した。
【結果】伸展筋力は全ての膝関節屈曲角度において、患側と健側との間に有意な差はみられなかった。患側/健側比は全ての膝関節屈曲角度において、88%以上であった。屈曲筋力は全ての膝関節屈曲角度において、健側と比べて患側が有意に小さかった (p < 0.05)。また、患側/健側比は全ての膝関節屈曲角度において、73%未満で、屈曲角度が大きくなるほど低下傾向を示し、膝関節屈曲60度に対して80度、90度、100度、110度、120度で有意に小さかった(p < 0.05)。
【考察およびまとめ】競技復帰を果たしていても、健側と比較して患側の屈曲筋力は低下しており、特に、膝関節屈曲角度が大きくなるほど筋力の低下が大きかった。そのため、半腱様筋をドナー腱とした ACL 再建術では、競技種目に応じた慎重な評価とトレーニングが重要であると考える。
【方法】ST腱を用いた ACL 再建術を受けて1年以上経過し、競技に復帰を果たしているアスリート10人(男性6名、女性4名、21~24歳)を対象とした。等速性筋力計に対象者を仰臥位で固定し、膝関節屈曲60度から120度まで10度間隔で両下肢の等尺性の膝関節伸展筋力(以下、伸展筋力)と膝関節屈曲筋力(以下、屈曲筋力)を測定し、健側と患側の筋力を比較した。
【結果】伸展筋力は全ての膝関節屈曲角度において、患側と健側との間に有意な差はみられなかった。患側/健側比は全ての膝関節屈曲角度において、88%以上であった。屈曲筋力は全ての膝関節屈曲角度において、健側と比べて患側が有意に小さかった (p < 0.05)。また、患側/健側比は全ての膝関節屈曲角度において、73%未満で、屈曲角度が大きくなるほど低下傾向を示し、膝関節屈曲60度に対して80度、90度、100度、110度、120度で有意に小さかった(p < 0.05)。
【考察およびまとめ】競技復帰を果たしていても、健側と比較して患側の屈曲筋力は低下しており、特に、膝関節屈曲角度が大きくなるほど筋力の低下が大きかった。そのため、半腱様筋をドナー腱とした ACL 再建術では、競技種目に応じた慎重な評価とトレーニングが重要であると考える。