日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育経営管理/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:00 〜 14:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[06経-ポ-02] 地域スポーツイベントを活用した学校運動部活動の在り方

徳島駅伝に向けた練習会を事例として

*井内 優輔1、宮崎 明世2 (1. 筑波大学大学院、2. 筑波大学体育系)


近年、学校の運動部活動改革が進められており、文部科学省は令和5 年度以降、休日の部活動を段階的に地域に移行する方針を示した。休日に教師が部活動の指導に携わることなく、地域でスポーツ・文化活動を実施できる環境の整備や様々な地域移行の事例が示されている。運動部活動の地域移行の受け皿としては、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団などが考えられるが、地域によって置かれた状況は異なることから地域の特性を活かした多様な在り方を検討する必要がある。そこで、地域の特性を活かした事例として、徳島県の地域に根付いたスポーツイベントである徳島駅伝に着目した。令和5年度で第70回の開催となる徳島駅伝は、中学生・高校生・一般の男女が襷をつなぐ、県内全16郡市対抗の駅伝大会である。大会に向けて多くの自治体が年間を通して開催されている練習会が運動部活動の地域移行の受け皿として活用できるのではないかと考えた。本研究は、大会に向けた地域の取り組みの実態を明らかにすることで地域スポーツイベントを活用した学校運動部活動の在り方を検討することを目的とした。 徳島駅伝に向けた活動の実態を明らかにするために、各自治体の代表者を対象として質問紙調査を行い、全16自治体から回答を得た。質問項目は、練習会の開催状況(頻度、時間、参加者等)、ねらい、成果と課題等であった。調査の結果全ての自治体が駅伝大会に向けて練習会を開催していたが、年間を通じて開催している自治体は約4割であった。参加者は中学生が約4割で、小学生を合わせると51.4%であった。また、練習会のねらいは、競技力の向上が約4割であったが、次にチームワークの向上や参加者の人間的な成長等の回答が多く、競技力向上以外の部分を重視している自治体が多かった。さらに、練習会が中学生の運動部活動の地域移行の受け皿となるかどうか尋ねたところ、半数の自治体が貢献できると回答した。