日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[F] 生活史・分布

2024年3月29日(金) 13:30 〜 16:30 F会場 (小会議室2)

15:45 〜 16:00

[F-10] 宮古島において異時的出現・交尾時間帯を持つ二つのリュウキュウクロコガネ個体群の分布状態

◯新垣 則雄1、砂川 博秋 (1. 八重瀬町)

リュウキュウクロコガネ成虫は、宮古島中央部の二次林(学びの森公園)では日没後の薄暮時に出現し、一方、細長い北岬の西平安名崎では日没前の明るい時間帯に出現する事が報告されている。また、合成性フェロモントラップへの反応時間帯についても同様の事が観察された。このことから小さな島ながらも異時的出現・交尾時間帯を持つ二つの個体群が存在すると考えられる。しかし、宮古島全体でこれらの二つの個体群がどのような分布状態にあるのかは不明である。そこで、今回はクロコガネ発生時期の6月に合成性フェロモンを誘引源にしたトラップを宮古島の14地点に設置し、捕獲した個体を室内条件下でその出現時間帯を調べることで両個体群の分布状態を明らかにする。その結果、2022年の調査では西平安名崎以外では全ての地域の個体群が薄暮出現型だった。2023年は、西平安名崎周辺の詳細な調査とその半島延長線上にある池間島も調査に含めた。その結果、西平安名崎と並行な世渡埼の個体群は明るい時間帯に出現する型であった。一方、池間島においては複数地点において両型が混在していた。