[PG02-16] イチゴ育苗のためのテントウムシ用バンカーに適した植物種の検討
イチゴ育苗期のワタアブラムシ防除対策としては天敵寄生蜂を用いたバンカー法では夏期には二次寄生蜂などの問題があるため、代替天敵としてテントウムシ類の利用が検討されている。バンカー上に放飼したテントウムシ類を効率よく定着させることを目的としてバンカー用植物種を検討した。バンカー用植物として市販されているムギ類は夏期の栽培が難しいため、夏期の栽培に適した飼料用・緑肥用等のイネ科植物5種類をそれぞれポットに植え、イチゴ育苗ハウス内で栽培した。5月中旬に各ポットの植物にトウモロコシアブラムシを放飼して増殖させ、5月末にヒメカメノコテントウ(以下テントウ)をポットに放飼してバンカーとした。その後、定期的にバンカー上のトウモロコシアブラムシとテントウの個体数、イチゴ葉上のワタアブラムシとテントウの発生推移を調査した。その結果、シコクビエをバンカー植物として用いた場合が最もトウモロコシアブラムシが増殖した。また、それぞれの植物の葉切片でトウモロコシアブラムシおよびムギクビレアブラムシを飼育して内的自然増加率を計算し、バンカーに適した植物と代替餌アブラムシの組合せを検討した。