日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム2)

2024年3月30日(土) 12:30 〜 13:30 桜(学生) (桜)

[PS02-46] 異なる道路舗装材が地上徘徊性の節足動物に与える影響

◯山元 駿介1、土井 具汰2、吉田 風音2、平岩 将良1、早坂 大亮1 (1. 近畿大・農、2. 近畿大・院・農)

道路は最も重要な社会資本のひとつであるが、ロードキルなど野生生物に悪影響をもたらすものでもある。道路の生態影響は、ロードキルなどの直接的な影響に注目されがちだが、道路を舗装することで生じる地表面温度の変化(路面温度の上昇)を介した間接的な影響も無視できない。舗装が生物に与える影響は、これまで舗装の有無による効果に焦点が当てられてきた。しかし、舗装材にはさまざまな材料が存在する。仮に、舗装材ごとに地表面温度に対する効果の程度が異なるのであれば、野生生物へ与える影響も異なるだろう。現時点で、道路の舗装材は国内外を問わず、アスファルトが主流であり、多面的にリスク評価がなされてきた。今後、アスファルトより優れた舗装材が普及する可能性があるが、知見が不足しており議論が待たれる。そこで本研究では、野生生物のうち、他生物の餌資源であり、また飛翔性の乏しさから路面環境の変化に鋭敏であると考えられる地表徘徊性の節足動物をモデルに、路面温度に着目して、各舗装材に対する応答を比較した。本発表では、アスファルト、コンクリート、ゴムチップの3舗装材における試験生物(ムネアカオオアリ,スナゴミムシダマシ属,オカダンゴムシ)の死亡率と移動量を比較した結果を報告する。