日本薬学会第143年会(札幌)

セッション情報

一般シンポジウム

[S51] 微粒子疾患の発症に関わる生体機構の解明と制御法開発

2023年3月28日(火) 09:00 〜 11:00 [D会場] 高等教育推進機構 S2 (S棟2F)

オーガナイザー:武村 直紀(阪大院薬)、東阪 和馬(阪大)、中山 勝文(立命館大薬)

今日の生活環境中にはさまざまな微粒子が存在している。たとえば屋外では黄砂やPM2.5(直径約2.5 2m以下の粒子状物質)が大気中を浮遊しており、室内ではダニなどのハウスダストが発生する。体内においても食事由来の尿酸塩結晶などが形成されることが知られる。加えて、テクノロジーの発展に伴い多様なナノ粒子が開発・利用されている。これら微粒子の曝露は、アレルギー、がん、生活習慣病といったさまざまな炎症性疾患の発症に関与していることが最近になって理解されるようになり、その患者数は世界的に年々増加傾向にある。このような微粒子に起因する疾患、いわゆる微粒子疾患の発症メカニズムとして、免疫細胞が産生するサイトカインによる過度の炎症などが関わることが判明しつつあるものの、微粒子の認識・形成機序や遺伝的背景による個人差など未だに不明な点が多く残されている。現在、微粒子疾患に対しては対症療法しかないため、今後の根本療法の開発が待たれる。本シンポジウムでは、粒子形成、体内動態、感知機構、免疫応答、制御化合物、遺伝的背景などの様々な観点から最先端の微粒子研究を推進している研究者にご講演頂き、微粒子疾患についての理解を深めるとともに、創薬に資する制御法開発などについて議論したい。

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