日本薬学会第143年会(札幌)

セッション情報

一般シンポジウム

[S58] 薬剤耐性(AMR)最前線―薬学領域が担うべき、これからのAMR研究を考える―

2023年3月28日(火) 14:00 〜 16:00 [D会場] 高等教育推進機構 S2 (S棟2F)

オーガナイザー:中南 秀将(東京薬大薬)、輪島 丈明(名城大薬)

薬剤耐性(Antimicrobial resistance:AMR)に起因する年間死者数は、このまま何も対策を講じない場合、2050年には全世界で1,000万人に上り、がんによる死者数を超えるとの試算が報告された。これを受け、本邦においても2016年からAMR対策アクションプランが実施されている。多くの医療従事者の尽力によって抗菌薬使用量は減少傾向にあるものの、薬剤耐性菌の分離頻度は減少していないのが現状である。感染症の治療には抗菌薬が不可欠であるため、抗菌薬使用量の削減には限界がある。また、AMRによって、これまでに開発された多くの抗菌薬の価値が低下し、製薬企業による新規薬剤の開発意欲が著しく低下していることも大きな問題となっている。既存の抗菌薬を守り、新たな薬剤を開発するためには、薬学領域の研究者が総力を挙げてこの問題に取り組む必要がある。しかし、本邦では、微生物学や医療薬学以外の領域において、AMRに関する研究が極めて少ないのが現状である。そのため、薬学会においては未だAMRの認知度が低いことが考えられる。本シンポジウムは、国内外のAMRの現状と薬学領域の研究者に期待されているAMR研究を知っていただくことが目的である。そこで、病院と薬局で現場の薬剤師が実践しているAMR対策を紹介する。さらに、微生物学と医療薬学の研究者が実践している最新のAMR研究を紹介する。これによって、薬学会のAMR研究が活性化し、生物・医療・化学などの分野横断的な研究テーマが生まれることを期待する。

オーガナイザー挨拶「薬学領域の研究者がAMR研究を担う必要性」:中南 秀将(東京薬大薬) (14:00 〜 14:05)

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